駄文置き場【黒バス】
□紫氷『ハッピーエンドの来ない悲恋こそ美しい』
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「……」
「どうした?アツシ」
「何でもない」
そう言ってそっぽを向いた。
どうして、この人から目が離せないんだろう。自分でもよくわからない。
「アツシはかわいいな」
俺の気も知らずにそうやって微笑む。
「…室ちんは、かわいくないね」
わざと酷いことを言ってその場を離れた。
これ以上、振り回されたくない。そう思うのに、室ちんの顔が頭から離れない。
(めんどくさい……)
室ちんといると、心の中がぐちゃぐちゃになる。好きなのに、嫌いになってしまいそうになる。
(本当、めんどくさい)
そんな気持ちを封印しようとしたけど、中々できなくて。
(…どうしたらいいんだろうな)
行き場のない想いで、胸がいっぱいになる。
上を向いてないと涙がこぼれそうだ。
(……ああ、苦しい)
こんなに辛いのなら、始めから知りたくなかった。
そう思わずにはいられなかった。