駄文置き場【黒バス】

□紫氷『最初から最後まで』
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初めて会った時から、何か特別なものを感じていた。

それはすぐに確信に変わり、やがて恋だと自覚した。

まさか、室ちんも同じ気持ちでいてくれるなんて思わなくて。俺は幸せの真っ只中にいた。

「室ちん、好きだよ」

「俺もだよ、アツシ…」

頬を上気させながら言う室ちんは物凄く色っぽくて。
この人を誰にも渡したくない、そう思った。

事が終わると、室ちんは割とすぐに寝てしまう。
最初は寂しかったけど、最近は(室ちんの可愛い寝顔を独占できるのは俺だけ)なんて優越感に浸ってるのはここだけの秘密。

(愛してるよ、室ちん…)
そっと、瞼にキスを落とす。
ぴくり、と僅かに動く瞼。
(やべ、起こしちゃった?)
様子を見ても起きてる感じはしない。

俺はフゥ、と息を吐くと改めて寝顔を見つめた。

(本当、綺麗な顔)

黙っていれば、あんな激しい気性を秘めているなんて絶対わからない。

時々腹が立つこともあるけど、何だかんだ俺に甘い室ちんがやっぱり好きだ。

(……)

そっと頬に手を乗せると、幸せな気分で胸がいっぱいになった。

(ずっと、一緒にいたい)

いつ、この関係が終わるかわからないけど。

(きっと最後まで、室ちんのこと好きでいるんだろうな)

そう思った。

最初から最後まで。俺の心を捕らえて離さない室ちん。

(…大好き)

穏やかな寝顔を見ながら、暖かい体温を感じて俺は目を閉じた。

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