読み処
□門限
2ページ/3ページ
ぱーん。ぱーん。ぱーん…
一定のリズムで叩き始める。初めは何時も平気と我慢できるのだが、20を超えた辺りから段々辛くなる…
ぱーん。
柳!!
ぱーん。
ねぇ!痛い!痛いの!
バシッ!
うっ、やめて!やめて!
一旦手を休めた柳。
さっきからうるさいよ。誰が悪いの?悪い事したのは誰?
それは…
バシッ!
いっ。
なに?今のは数に入ってないよ。質問には直ぐ答える。お仕置きを受けなきゃいけないのは誰?その要因を作ったのは?
紅葉です…
はい。そうだね。電話にちゃんと出て、連絡さえすれば厳しくしなくて済んだのにね。次はしないように、ちゃんと言い聞かせておかないといけないからな。後、14回。我慢するんだぞ。次、我慢出来なかったら、物差しで5回追加するからな。
え。
もう、紅葉は泣きそうだった。なんで、痛いと言ったのだろう。やめて!と言ってしまったのだろう…こうやって、お仕置きを止めてしまえば、もっと厳しくなるのに…十分に理解してるはずなのに…ぐちゃぐちゃ考えていたら…
ぱーん、ぱーん、ぱーん、ぱーん。
痛いと思いつつ、声に出さないように必死だった。これ以上、叩かれたら、我慢出来ない…
うっ…
ぱーん、ぱーん、ぱーん、ぱーん、ぱーん、ぱーん、ぱーん、ぱーん、ぱーん、ぱーん。
最後の10回は連続で振り下ろされ、終わった頃には、息が出来ないかと思うほどだった。
ごめん…なさい。ごめん…なさい。
途切れ途切れにやっと出た言葉だった。
柳は、頭を一度なでたが、
まだ、終わりじゃない。後、何回だ?
そうだけど…終わりと言って欲しかった…柳の声が遠のくように聞こえ、直ぐに返事ができないと、
バシッ!
すごく痛いのが降ってきた…
ごめんなさい!もうしない。だから…
だから?俺が聞きたいのは回数だ。
…。後、20回…
それから?
物差し…で、14回…
はい。机に手をついて。机から手を離したら追加。わかった?
そんな…もう、返事は決まってる。ここで否定しても、なにも変わらない…
20回な。
お尻をひとなでし、場所を定めるようにして、軽く叩き、振り上げたのがわかった。
バシッ!
机の端をこれでもかと言うぐらいにぎりしめ、とにかく、手を離さないようにしていた。
バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!
柳の手はまだ止まらない…柳は、お仕置きに関してとにかく厳しい…回数を決められた時はどんなに真っ赤になってもやめてくれない…
もう、紅葉の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。ごめんなさいの言葉しか出てこない…何回言ったかわからない。
後一回。
バシッ!
力が抜けたのか、座り込んでしまった。
ほら、まだ、残ってる。物差し、とって来なさい。
優しい声なのに…突き離された言葉にもう、辛くて仕方がなかった。
ゆっくり立つと自分の部屋にある物差しを取りに行った。