読み処

□熱
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朝だぞ。
降りて来いよー。
柳の声。
変に緊張する…

いつもより行動が遅くて、自分でもなにしてるかわからない…

今日は遊びたい…
楽しみにしてたし…

そればかり頭から離れなくて、遊びたい一心で着替えを済ませ、何食わぬ顔顔で、柳の前でおはようの挨拶!

おはよう。

いつもの会話がすごく緊張する。
目の前には大好きな焼きシャケがある。いつもより注意深く、いつもと同じように…

箸をもって、食事に取り掛かろうとするが、体調が悪い。食べれない。

おい、全然手をつけてないじゃないか。
体調でも悪いのか?

ううん!
大丈夫!全然大丈夫!
ちょっとダイエットしてるから…

?ダイエット…
今時の高校生は。いいか。食事を減らすぐらいならおやつを減らせ。

笑いながら、紅葉のおでこをぺちっ…

ぁ。

?紅葉。座ってろ。

え。もう、学校いく時間だから…

そんな声はもう、柳には届かない。
救急箱にある体温計を取り出し、紅葉に向かってくる。

走りだそうにもからだがフラフラで動けない…

じっとしてろ!

もう、従うしかないんだ。
そんなこと思ったら、涙がボロボロ。

柳にばれたことも、遊びにいけない事も悔しくて、さみしくて。

何泣いてんだ。

頭にそっと手をおく柳。
ほんのり冷たくて、心地よい。

ピピピ…

紅葉…こんな状態で、学校行く気だったのかよ。いいから寝ろ。ほら、着替えて。

え…

わかっていたけど、ショックで仕方が無い。

学校…行ける…

辞めとけ。俺から学校には電話しておくから。そんな状態で、勉強も頭に入らないだろ。



ほら、部屋で休んでいなさい。

柳が何かしなさいと言う時は絶対。
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