便利屋の銀魂な話
□便利屋3
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日が完全に沈んで薄暗くなってきた頃、ようやく瓦の修理を終えた離久が屋根から飛び降りた。
地面に着地するときの音は小さく、身体への衝撃はほとんどないに等しいくらい小さかった。
「終わりましたよー」
離久が屯所の建物に向かって声をかけると、中から返事が聞こえてきた。
間もなく近藤が姿を現した。
「おお!!じゃあどうぞ中に入ってください」
「じゃ、お言葉に甘えて失礼します」
離久は笑顔を作りつつ、靴を脱いで屋内へ入っていく。
「今お茶を持ってきますんで」
「お構い無く」
離久が顔の前で手を横に振るも、近藤は奥の廊下へと消えていった。
「…ふぅ」
近藤の姿が見えなくなってから、離久は一息ついた。
そして、おもむろに懐から取り出したものは――
「そろそろかな」
離久の顔から作り笑顔が消えていた。