便利屋の銀魂な話
□便利屋3
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「おいしー」
「そうですか!!それはよかった!!」
大口を開けて盛大に笑う近藤は、思い出したように話を切り出した。
「そういえば、まだ修理代を聞いてませんでしたな」
「あれくらいの修理費なら…」
離久は金額を提示する。
「え?それだけでいいんですか?」
近藤は驚いて聞き返していた。
「はい」
離久はにこりと笑った。
もちろんこれも作り笑いだった。
「じゃあ少しゆっくりしててください」
払う金を取りにいこうと近藤が腰を浮かせる。
その時、急に外が明るくなった。
ドン ドン ドン
音と共に地響きがして、部屋にいた近藤が縁側に飛び出した。
「は、花火…この季節に!?」
拍子抜けした彼はポカンと口を開けたまま、空に咲いては消えてゆく打ち上げ花火を見ている。
「はぁ。まだ報酬もらってないのに」
そんな呟きが至近距離で聞こえた。
近藤が振り返るより速く、飛び上がっていた離久は持っていた金槌を彼の頭へ振り下ろしていた。