ときめも夢…未来予想
□すぐそばにある。
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side.ルカ
「…その次は…ね」
はぁー…と、非常に重たい溜息を付く強面の男がひとり。
俺のオニイチャン、琥一。
「コウ、まだ手だしてないの?ダサすぎ」
「うっせぇーよ…」
そしてまた溜息。
人一人殺めてきました、とも言えるような眉間の皺に釣り上がった目。
なんだか相当キてる?
…それもそうか。
だって、相手があの玲乃ちゃんだもの。
コウがいれたお茶を飲みつつ、コウの趣味全開な服を着た彼女を思い浮かべる。
あんなカッコしてても、どんなに大人っぽく見せても、中身はやっぱり玲乃そのもの。
奥手も奥手。
超のつく恋愛初心者。
そして言葉で言い尽くせないほど、非常に可愛い。
コウが溺愛し過ぎて手を出せないのも頷ける。
「コウがしないんなら、俺、チャレンジャーになろっかな」
「あ?ふざけんなよバカ。手ぇ出してみろ……二度と表に出れねぇ顔にしてやんぞ」
ギロッと睨む表情には、色々我慢しているせいか、いつもよりも迫力が滲み出てる。
「ジョーダンだよ。こっわ、オニイチャン」
「だからその呼び方気色悪りぃ」
そしてまた深い溜息をつく。
オニイチャンはどうも重症みたいだ。