ときめも夢…未来予想
□すぐそばにある。
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side.コウ
それらしい雰囲気が無かったわけじゃない。
けど、どうしても踏み切れない。
もう一度キスをしたい。
あんな触れるだけの、優しいキスなんかじゃなくて。
いっそ壊してしまいたいと思う程の、激しいキスであいつを困らせてやりたい。
頭ん中で何度あいつを脱がせたことか。
眠れば必ずあいつが出てくる。
俺の望む通り、キスを受けて、身体も許してくれる。
自分でも重症だと思う。
けど、現実、そんなこと出来ねぇ。
一瞬でもあいつに拒否されることを考えると……手が出せない。
あいつは俺のこと…どれだけ好きなんだ?
あんなキスじゃ終われねぇってこと、ちゃんと知ってるのか?
……わかんねぇ。
わかんねぇが、もうそろそろ我慢の限界だ。
玲乃と、シたい…。
「相当イかれてる」
そのつぶやきは、星の散らばる闇夜に溶け込むよう消えて行った。