ときめも夢…未来予想
□すぐそばにある。2
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コウ君が欲しい、と。
そう言われた時は、まず自分の耳を疑った。
最近そのことばっか考えていたせいか。
とうとう幻聴まで聞こえてくるとは、俺も末期だと。
けれど、次にわかったのは、それは現実だということ。
真っ赤になってうつむくアイツ。
握った手は震えていて、ひどく緊張していることが伺える。
「……お前、自分が何を言ってっか…わかってんのか?」
そう言うと、一瞬ビクついたように強く握り返された手のひらが、一気に熱くなったのを感じた。
うん、と。
頷きながら、玲乃は確かに返事をした。
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