マリオネットワルツ

□淡く甘く
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「一方的に殴られても狭野橋の奴、やり返さなかったのか?」

思わず食満留三郎は立花仙蔵に聞き返した。
日も沈み夕食時の食堂は忍術学園の生徒、忍たま達でごった返している。
がやがやと周りの喧騒にかき消されないよう、仙蔵は口を開いた。

「ああ、実技実習で狭野橋にやられた、ろ組の忍たま二人が腹いせに本人を呼び出して殴りつけていた」

それを聞いた留三郎は怒ったように押し黙り、隣の善法寺伊作は沈痛(ちんつう)の面持ちになる。
そんな二人の向かい側に座る七松小平太と中在家長次は、自分の組の忍たまが子供じみた振舞いをしたことに対して何も言えなくなってしまう。

「午後の座学には狭野橋、出席したのか?」

仙蔵の向かいに座る潮江文次郎は狭野橋上総と同じ、
は組である伊作と留三郎に問い掛ける。
焼き魚をつつきながら伊作は

「授業の後半になってから教室に来たんだ。
...殴られてできたんだね、あの傷は」

その言葉を聞きながら、留三郎は数刻前の出来事を思い出す。
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