ジャジャジャジャーン!

□成
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午前中が終わり、昼食。

何故かサシャが目を輝かせて隣に座って食べている。


しかも何度もチラ見してくるのだ。

欲しいのか、パンが欲しいのか貴方は。




『・・・サシャ?』


「な、何でもないですよ!」



絶対何でもなくないでしょ。

すっごい物欲しそうな目してるよ。



そして私がパンを食べるたびに強い念を感じる。

・・・まあ、一個くらいなら何とかなるかな。




『欲しいの?』


「いえっ、大丈夫、です!」



絶対大丈夫じゃない。

欲しい、と聞いた瞬間の輝きを確かにこの目で見たよ。



別にいいか。あげよう。

喜ぶなら悪い気はしないし寧ろ良い。



私は自分の皿から残りの一個のパンをサシャの皿に乗っけた。




「えぇっ!!あの、悪いですから!」


『すっごい欲しそうな眼差ししてたでしょ』


「してません!」


『あまりお腹空いてないからあげる』



そう言うと言葉を詰まらせたサシャ。

食べ物に弱いよね。

そこも可愛い。



「神様ありがとうございます!」



神様って・・・。

そこはクリスタでしょ。


クリスタは天使、女神、神様っていう素晴らしい存在だ。

聖女でも良いと思う。




サシャにお腹が空いていないとあげたが、本当にお腹が空いてなかったのだ。

立体起動の訓練も、格闘だってして汗だってかいた。


朝はスープしか飲んでいないのに、何故か空かない。

あれだけ動いて減らないということが可笑しい。



お腹も空かない、そしてすごく怠い。

少しだけぼうっとして妙に熱っぽい。




風邪とか止めてよね、洒落になんない。

もういいや、スープ飲もう。


銀のスプーンを手に取ろうとした。




―ドクンッ



『っ!』


誤ってスプーンを落としてしまう。

軽い音が鳴った。



心臓が飛び出そうなくらい跳ねたような感覚に襲われて、落としてしまったのだ。

わざと落としたわけじゃない。



しゃがんでスプーンを取ろうとした。

その時だ。




視界が白く染まった。
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