短編小説U

□言いたくて言えない言葉
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伝えたくてでも言えなくて、いつも私は与えられてばかりで。



ルルーシュは久しぶりにシュナイゼルと穏やかな時間を過ごしている。ここ最近お互いに政務に終われ、二人で過ごす時間を全く取る事が出来なかった。こうやって穏やかな時間を二人で過ごせることがとても嬉しい。

シュナイゼルが優しく腰まである自分の髪を先程から弄っている。その事を少し恥ずかしく思いながらも、嬉しさのほうが強い。
「髪が伸びたね」
ルルーシュはそう言われ、自分の髪を手に取った。確かに長くなったような気がする。
「そうですね、伸びましたね」
自分の漆黒の長い髪を見ながら、ルルーシュはそろそろ切ろうかなと考えた。ここまで長いと邪魔になる。
だが、そう思っても中々行動には移せない。自分では好きになれないこの髪をシュナイゼルに誉められてから、少しだけ好きになることができたから。
「ルルーシュ」
ルルーシュは名前を呼ばれてはっとして顔を上げた。
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