夢想

□野菜畑慕情
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★野菜畑慕情★





此処は奥州、伊達政宗の城


・・・の中に作られた





小十郎の野菜畑★



「・・・・・おい。」
「・・・!!!」


そこへ現れたのは緑のオク・・・中国の人。
突然現れたその人に、小十郎は一瞬驚きの表情を見せるが、すぐにそれは物凄く険しい表情へと変わる。

「貴様は毛利元就!!!何をしに来た・・・返答によってはただじゃ済まないぜ??(ギロリ」

伊達軍の兵、そして君主政宗も恐れるその睨み。
だが、元就公は平然としている。

「ふん・・・何も貴様には用等ないわ。政宗公に逢いに来た。探していたらお前が居たのでな・・・声を掛けただけだ。」

「ピクッ・・・・・・なんだと?(怒)貴様、いつもいつもさり気なく政宗様にくっつきやがって・・・俺はまだアンタを認めてはいない(ぇ 政宗様に近寄るな!!悪影響だ!」

更に小十郎が凄む。今にも刀を持ち出し、斬りかかりそうな勢いだ。


最早殺気すら漂っている、昼下がりの野菜畑。


しかし元就は平静を崩さない。
寧ろ、その口元には余裕の笑みが皮肉げに浮かんでいる。


「認める認めないなど・・・貴様は政宗公の姑か??まぁ・・・・・似合いではあるぞ。その






割烹着姿は。






だが残念ながら、その格好で凄まれても・・・恐怖など微塵も感じんがな??」


「なっっっ!!!!!!!!」

只今小十郎は畑いじりの真っ最中。
当然、必須あいてむは
「割烹着」

不覚にも小十郎は刀の代わりに
愛情たっぷりに育てた葱を握り締め、
割烹着姿で元就に叫んでいたのだった。

哀れ、姑★(チーン

怒りと羞恥で顔を真っ赤にし、口をパクパクさせている小十郎は見物なのではないかと元就は心の中で思っていた。

「お、元就じゃねぇか!!どうしたんだ?・・・小十郎が、大変な事になってるが。」
「あぁ、政宗。なに・・・・・少し姑をからかったまでよ。」
「What?姑だぁ??・・・・・・小十郎が??」

そこで仕事をサボり、散策に出かけていた政宗が通りかかった。サボっていた政宗は、小十郎が居るので逃げようかと思ったが、何やら小十郎の様子がいつもと違ったので寄って来たらしい(これを聞いて元就が少し拗ねたのは、また別の話

「ぁ!!ま、政宗様!!!!」
「む・・・正気に戻ったか。」
「お前、なにやってんだ?葱握り締めて・・・」
「こ、これは!!・・・・・・毛利元就ぃ!!!貴様ぁ、絶対に許さんッッ!!!!!」
「我を責めるか?それはお門違いと言うものであろう・・・まぁ良い、お前にこれ以上構っている暇は無いのでな。政宗、そなたの部屋へ行くぞ。良いな?」
「Ah?それは構わないが・・・」

「なりませんぞ、政宗様!!!この小十郎、まだそ奴を認めてはおりません!!!!」
「まだ言っているのか・・・・・そうであった、我も何も持たずに他所へ上がり込むほど無礼ではない。これを貴様にやろう。」

そう言った元就から、小十郎は大きな風呂敷を受け取った。
「なんだこれは?」
「手土産だ。開けてみるが良い。」

元就に半ば急かされて渋々風呂敷をとく小十郎。

「こ、これはっっ!!!!!」

包まれていたのは緑色に輝く



オ・ク・ラ!!!!


「これは・・・今野菜を作ってる者の間で話題になっている、幻のオクラ!!どうして貴様がこれを・・・まさか!?」
「そう・・・察しの通り、我が直々に育てておる。日輪の恩恵を受けし、このオクラ・・・一般には出回っていない、幻と言われるに相応しき、我の最高傑作よ!!!!」
「このつやと日輪を彷彿とさせる輝き・・・その腕、確かと見たっ!!!」
「ふ・・・貴様にも解るか、この良さが。」


今日此処に
新たなる友情が芽生えた・・・



「・・・・・・く、今日のところはこのオクラに免じて許してやろう。今晩はオクラ料理にするから、てめぇも食って行くが良いさ。」
「楽しみにしていよう。」




そして
此処に取り残された人が一人。

「・・・・・・・・・おい。」
「あ、政宗様!!今日はオクラ料理ですよ♪」
「小十郎・・・・・・俺より、オクラか??」
「は?い、いえ!そういうつもりでは・・・!!!これはそのっ!!」


政宗は笑顔で小十郎に向かって言い放った。

「俺もだ。小十郎。俺もお前よりオクラが良い・・・


ただし





俺の愛してるオクラは、この世で限定一つだぜ。」





そしてそういうが早いか、政宗は元就の手を引き去ってゆく。




「政宗様ああああああぁぁぁぁぁ!!!!!誤解ですぞぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!!(号泣」


後に残されたのは

未だ割烹着で葱を握り締めている姑。



そして



「・・・・・・・・・。」
「どうした、元就?」



「我は・・・そなたがオクラを愛するような者でも、構わん。」


「・・HA??・・・・・・おま、ちょっまさか!!?・・・・・・馬鹿か、お前は;;オクラを恋愛対象にする訳ねぇだろ?!」
「じゃあオクラを愛しているとは、何の事だ?」

「はぁ・・・お前、今度兜被って自分の姿鏡で見てみ?一瞬で解決するからよ。」



時は夕餉の時間。
お城からも、美味しそうな香りが漂う時間の出来事でした・・・♪


END

元拍手文でした。
こじゅは政宗にぞっこん。でもそれより政宗は元就にぞっこん。元就は・・・・・・まぁ言うまでもないか(笑)
元就は気がないフリをしていながら実は独占欲とか物凄いと良いよ!!つーんといつもは黙ってて、突然さらりと愛を囁けば良いy(もう黙れ




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