【ホワイトデー☆フリー小説】




バレンタインデーの日から速いもので2週間が経とうとしていた


放課後の教室−−−



「棗?そんな顔してどうしたん?」

怪訝そうな表情で隣に座っている彼の顔を覗き込む少女の名は佐倉蜜柑

いつもの彼氏の様子に違うとすぐに気付き聞いてみたのだが…

「別に…」

彼女である蜜柑の視線を反らすと素っ気なく答え自分の席を立ち教室の出口へと向かって行く彼氏の名は日向棗

蜜柑は慌てて待つ様に大声で名前を呼ぶが…

「棗!!ちょお!待って!!?」

「………」

ガラガラ

ピシャン


蜜柑の言葉を聞かず棗は教室を後にした

誰も居なくなった静かな教室で蜜柑は悲しい表情を浮かべながら窓の方に目を向けると、彼…棗の瞳と同じ色の真っ赤な夕焼けが外を赤く染めていた

(棗…!???)

蜜柑はかなり落ち込んでいた


一方……

棗もかなり悩んでいたのだった

というのも、もうすぐホワイトデーが近づいていると言うのに、未だに何をプレゼントを何にするかを決められずにいた


候補はいくつか上げていたのだが…
中々決まらないでいた
彼女である蜜柑に聞くのが1番早い話しなのだろぅとよぎったのだが、蜜柑の事だから絶対に

『棗がくれる物やったら何でもええょ♪』

と言うにきまっていた
棗は深い溜息をつくと最近何度も足を運んでいたセントラルタウンへ行く事にした

夕方とあってセントラルタウンは仕事帰りの人や買い物に来ている主婦や学生達で賑やかだった

普段賑やかなところが嫌いな為こういう場所には行かない棗だが、

(蜜柑の喜んだ顔を見れるのなら……)

と心の中で呟いていたお店の中には入らずに外から品定めをしながら歩いているのだが、中々ピンと来る品物が見つからなかった

太陽は容赦なく、どんどん沈んで行く中、あるお店の前で立ち止まると棗はフッとある品物に目を向けた

窓ガラスから偶然見えた品はハート型のチョコと指輪だった

棗は顔を緩めるとお店の中へ入って行った



その日からまた時は流れホワイトデー当日

朝早く、蜜柑の部屋へと足を向けたのだが、時間的にもう起きていても良い時間だった…

トントン

トントン

扉を何度もノックしても返事がない

「……またか」

朝二人で一緒に学校へ行くのが日課だったのだが…

あの日、ホワイトデーの品物を買った日の翌日から蜜柑は毎日朝早く起きて一人で学校へ行っていたのだった

棗は何度も話しかけようとしたのだが、すぐに蜜柑の親友である今井蛍のところへ行ってしまう為、話し掛けるタイミングをいつも失っていたのだ

今日は特別な日
今日こそはと早くに来たのだが、蜜柑はもう学校へ行ってしまった様だった   

「…っち」

棗は舌打ちするとその場から学校へと走った
朝早い事もあって生徒の姿は全くない、それも当然の事だった

今の時刻は調度、生徒達の朝食の時間帯だったのだ

そう…、蜜柑は朝食を食べずにいつも一人で学校へと行っていたのだ



−−早く話したい−−


−−早く渡したい−−


−−−あいつの笑顔が見たい−−−



棗は走るスピードを上げていた

教室では蜜柑が自分の席で突っ伏し、スヤスヤと寝息をたてていた

そんな中、扉が開く大きな音が教室中に響いた

   ガラガラ


それでもスヤスヤと寝ている蜜柑、起きる気配が全くない

棗は息を整えると蜜柑の席に近づき蜜柑の体を強く揺すった 

 「おい!!」 

「…誰?…!!!」

蜜柑は少し寝ぼけながらも起こした相手が誰なのか顔を見るなり固まってしまった

そんな蜜柑の様子を見るなり棗は溜息を着くと可愛いらしいオレンジ色の紙で包装された小包を蜜柑の机の上に置いた

蜜柑は理解出来ずに、ただただ棗の顔を瞬き一つせず見ていた

棗が呆れた笑を蜜柑に向けながら

「今日はホワイトデーだろぅが…////」

少し顔を赤らめ、言い終えると照れ隠しで、蜜柑から視線を反らした

蜜柑はまだ状況が飲み込めず、棗と机の上に置いてある小包を交互に見ていた

しばらくしてやっと理解出来たのか蜜柑の目から涙が溢れた

「うち…棗に嫌われた思っとったんよ!?」
そう、蜜柑はあの日からずっと棗に嫌われたと思い込み、棗との接触を避けていたのだった

「なんで俺がお前を嫌わなきゃいけねぇーんだ?」

棗はかなり呆れた顔をしながらも蜜柑を自分の方へ抱き寄せ、蜜柑の耳元で囁いた


「蜜柑…愛してる////////」


「////う…うちも棗の……っん…//////」


蜜柑の言葉を遮る様に





深く、長いキスをした




お互いの唇が離れると蜜柑の顔は真っ赤になっていたが、満面な笑顔を棗に向けていた


「/////うちも棗の事愛しとるょ//////」


蜜柑は遮られた言葉をどうしても棗に伝えたくて言って見たが、あまりにも恥ずかしい言葉に蜜柑は下を向いてしまった

棗はそんな蜜柑に愛おしいそうな表情を向けていた

END.

エピローグ

「なぁ棗??この中何がはいってるん??」
不思議そうに箱を見つめている蜜柑に棗は笑いながら

「開けて見ろよ!」

不思議そうに小包を見ている蜜柑を棗じっと見つめていた

「それも、そうやね」
カサカサと丁寧に包装しを剥がし箱を開けると中には少し大きめの円いハート型のチョコだった

「大きなチョコやね♪こんなチョコ初めて見たわぁ♪♪」

嬉しそうにチョコを見ている蜜柑に棗は  
 「食えよ」

と急かしたが、蜜柑は勿体ないと言う表情で棗に訴えたが

無視されてしまった(笑)

蜜柑は仕方なく食べる事にした

「わぁ♪中空洞になっ…!?!!!!!指輪が入っとる!?」

チョコの中は空洞になっていて、その中には赤い宝石の指輪が入っていた

もちろんただの指輪ではなく……

「俺のアリスストーン付きの指輪だ/////」

棗は蜜柑から顔を反らしながら一言付け加えた

蜜柑は照れてる棗の姿に満面な笑顔で抱き着くと棗の耳元で小さな声で囁いた




「棗ありがとう!大好きやで♪//////」




☆あとがき☆

夜中に仕上げるつもりだったのですが…
朝になってしまいましたぁ(ノ_・。)

棗の行動とか悩みに悩んでいたらこんな時間に………(-.-;)
と言い訳でしたぁ(汗)かなり駄文になってしまったのですが…
こんな小説でも欲しいと言ってくださる方は掲示板に書き込みしてからお持ち帰りをお願いしまっす (。・_・。)ノ

夜中にできるの楽しみにしていて下さった方には申し訳ありませんでしたぁ(ノ_・。)m(__)m
END.

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