FREESIA
□FREESIA 1
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暗闇の中に一人の男がいた。
男はただただ静かに目を伏せその場にいた。
しばらくするとゆっくりと目を開けた。
「………来たか」
男は静かにつぶやくと再び目を閉じた。
一人の少女が空を見上げていた。
「フリージア……」
少女がつぶやくと空が歪み、一筋の光が空と大地を繋いだ。光はそのまま霧散し、何事も無かった様な空と大地がそこにはあった。
「未来への希望が降臨なされた…」
少女は目を伏せ、さらに続けた。
「あとは、彼次第……」
「運命は、まだ、決まってはいないのだから……」
そう言うと、少女はその場からゆっくりと掻き消えた。