繁殖の巫女(R18)

□繫殖札と能力固めの儀
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 妊婦に対するあり得ない扱いが出てきますが、異世界の話だということで大目に見てください。
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       1

 魔力の神官、ミクリは御年76歳。魔力の神、カラテア神に仕えて60年になる。
 こたび子孫繫栄祈願では巫女召喚の一員として儀式を成功させ、神官長に任命されたとき以上にうれしかった。
 今もこうして交接の儀に立ち合い、国家存続に貢献しているのかと思うと心から誇らしいと思う。
 しかも迎えた繫殖の巫女は明るい未来を予感させる元気のいい乙女で、いつまでも見ていたいと思うほどかわいらしい。彼からしたら孫のように年若い娘だった。

 そんな少女に重力の魔法をかけるのは心苦しかったが、診察や生殖中に暴れて怪我でもされたらそれこそことだ。しかも重力の魔法は加減が難しく、正確にかけられる魔法使いはひと握りしかいなかった。
 ミクリとしては、1日も早く巫女が王子たちの寵愛に慣れ、心から性交を愉しめるようになることを願うばかりだった。

 その一方で、男としての彼は交接の儀を心待ちにしていた。なんと言っても幼い容姿に似合わぬ成熟した身体。王子たちとの生々しい交合の気配。罪悪感を抱きつつ、頭の中で何度彼女を抱いたことか。

 これでも若いころは多くの女子(オナゴ) と浮名を流したものだ。重力の魔法をかける必要もなく女子と番い、手練手管で昇天させた。子どもにこそ恵まれなかったものの、妻もいた。その妻は去年亡くなったが、元気なころは彼との性交をいたく気に入ってくれていた。
 最近ではとんとご無沙汰ではあったが、欲望がついえたわけではなかった。

 さて、本日も繫殖の巫女は重力の魔法をほどこされ、今カルカヤの診察を受けているところだ。今日のお相手はギラン王子で、早くから神殿に現れ診察から彼女についている。
 近頃ではいろいろと簡略化され、最低限の人数しか診察に立ち合えないようになり、彼は囲いの外で待機中だった。
 この神殿の長であるムスカリも、カルカヤに遠ざけられ蚊帳の外だ。王子たちにも嫌われたようで、ふてくされている。
 まあ、彼から見てもムスカリの行いは職権濫用だったと思う。必要以上に巫女に触り、辱めてきた。今では巫女の怒りを買い、一番の嫌われ者だった。

 「ミクリ殿」診察中のカルカヤが彼を呼んだ。

 「何か?」

 「着床の確認をお願いいたします」

 着床?まさか。ひと月もせぬうちに着床などあるわけがない。繁殖の巫女と言えど、1年はかかるはずだ。
 ミクリは半信半疑で褥の間に入った。

 そこでは病払い師がめずらしく高揚感をみなぎらせていた。

 王子は巫女の隣であぐらをかき、仏頂面で腕組みしている。

 繁殖の巫女は腹だけを露出した状態で、初めての展開にとまどっているようだった。

 「巫女さま、失礼します」
 ミクリは薄い腹に手のひらをあて、弱い魔力を送った。反射で返ってくる反応から命の存在を探索するのだ。
 いた。へそと恥骨の中間、その奥に小さな小さな命の灯が視える。
 ミクリは信じられない気持ちで病払い師と目を合わせた。

 カルカヤが力強くうなずく。もう間違いなかった。
 「巫女さま、おめでとうございます。御子さまが宿りましたよ」カルカヤが医師らしく診断結果を告げた。

 「マジか⁉」少女はそれきり絶句した。

 「繁殖の巫女さま、ご懐妊されました!」次いで病払いの神官は囲いの外に向けて高らかに発表した

 繁殖の間、全体にどよめきが走った。この朗報はすぐに王宮に伝えられるだろう。国民にもあっという間に知れ渡るに違いない。現れて間もない巫女の懐妊に、繁殖の巫女人気はますます高まるはずだ。もしかしたら周辺諸国にまで伝わるかもしれない。

 「というわけでギラン王子、本日の交接の儀は中止になりました」
 冷酷に告げる病払い師には血も涙もないに違いない。

 巫女との性交を楽しみにしていた青の王子は、見るからに落胆していた。憮然とした表情で少女のそば近くに寄り、俺の子を宿してほしかった、と告白した。名残惜し気に小さな額に口づけを落とす姿に、初めてこの王子が真摯に儀式に取り組んでいたのだと知った。寂しく褥を去る美丈夫の後ろ姿は憂いに満ちていた。

 「やあやあ、それはおめでとうございます」入れ代わりに入ってきたのは子孫繁栄の神官だ。巫女の尊厳を守るために閉められていた幕を大きく開き、しゃしゃり出てきた。
 「この慶事は広く国民にも分け与えなければなりません。これより繁殖札の作成を執り行います。ハルニレ殿、バンダ殿、あちらの文机をこちらに。ミクリ殿は札紙の用意をお願いいたしますよ」
 カルカヤから実権を取り戻して鼻高々のムスカリが、テキパキと場を仕切り始めた。
 「さてさて、さすが繁殖の巫女さま。これほど早く身ごもっていただけるとは感激いたしました」未だショック状態の少女に、ムスカリが下卑た笑みを向けた。
 「つきましては巫女さまに訪れたこの幸運を、ぜひぜひ我が国民にも分けていただきたい」

 巫女は不安そうだ。

 「なに心配はいりませんよ。巫女さまはいつも通り流れに身を任せていただければ、こちらで滞りなく進めてまいります。ではさっそく始めましょうか」不埒な手を少女に伸ばした。

 ムスカリに触られるのがよっぽどいやだったようで、ここで気の強い娘はいつもの調子を取り戻した。
 「触るな!妊婦は大事にしろ!」

 「大事にしますとも。至れり尽くせりかわいがってさしあげますよ」

 「ムスカリ殿、なるべく巫女さまの意向をふまえて行動していただきたい」そう意見したのは病払い師だった。

 子孫繁栄の神官がキッとカルカヤをねめつけた。
 「繁殖札は我が国の子孫繫栄に欠かせない手段。私のすることに口を出さないでいただきたい!」

 場に一触即発の沈黙が落ちた。前々から穏やかではなかったが、これでムスカリとカルカヤの確執は決定的になった。この不和が神殿同士の対立に発展しなければいいのだが。

 ムスカリがいやがる巫女からローブをはぎ取り始めた。

 「やめろ!ハゲ!このドスケベ!」

 「せめて!」ひるむことなくカルカヤが声をあげた。「念写ぎりぎりまで巫女さまの肌をさらさずにおいていただきたい」

 ムスカリが手をとめて、意地悪な顔を彼に向けた。
 「おやおや。もしやカルカヤ殿は巫女さまに懸想しておられるのではあるまいな?」

 「少なくともムスカリ殿よりは大切に思っております。繁殖の巫女のお役目が明けたあかつきには、婿候補として名乗りをあげる心づもりでいます」

 「なんと」ムスカリは呆れたようだ。「巫女さま、お婿候補がふたりに増えましたぞ。よかったですなぁ」いやらしくにたついた。「ですが、巫女さまはお役目半ば。カルカヤ殿にはもうしばらく待っていただいて、続きを始めましょうか。ハルニレ殿は右の乳房、バンダ殿は左の乳房をかわいがってください。未来のお婿候補が目を光らせておりますので、なるべく肌をさらさぬよう慎重にお願いしますよ。ミクリ殿は念写に備えて魔力を高めておくように」仕返しのようにカルカヤを外し、自身もローブの下、脚の間に手を入れた。

 「てめえら、いい加減にしろっ!触んじゃねぇ!」
 一斉に始まった手淫に少女の顔が赤くなった。
 「やめろぉ……」抗う声は悲痛だ。

 彼女の胸元と下腹で男たちの手が動いている。3人の顔は神聖さとは程遠かった。
 「ムスカリ殿、乳頭に口をつけてもよろしいか?」そう訊いたのはハルニレだ。

 「もちろんです。巫女さまが我を忘れるぐらい念入りにお願いしますよ」

 黄色い頭がローブの胸元に埋まった。

 「う……、カルカヤ……助けて……」

 病払いの神官がつらそうに顔をしかめた。
 「巫女さま、すみません」

 「あっ、んんん」

 「皆さまいいですよ。巫女さまの発情が始まったようです」
 それを裏づけるようにローブの下から小さな水音が立ち出した。
 ローブに隠れて見えないが、ムスカリは彼女の脚を開き指を出し入れしている様子。あげく彼はローブの下に頭を突っ込んだ。

 「いやぁぁ……」巫女が表情をゆがめて頭を振った。額に汗が浮き、涙がにじんでいる。
 胸元ではふたりの男が交互に乳にしゃぶりつき、下腹ではピチャピチャと舌を使う音が聞こえた。

 病払い師は険しい顔で口を真一文字に結んでいる。

 「はぁ、んんん――」少女の顔が赤く染まり、開いた脚がワナワナと揺れた。

 ローブの下から真っ赤なハゲ頭が出てきた。濡れた唇がいやらしくゆがんでいる。
 「さあさあ、巫女さまの発情が整いましたよ。ローブを脱がせてください」ムスカリがウキウキと指示を出す。「雌陰がよく見えるように脚を拡げて。もう少し腰をあげるといいですね。そうそう。ミクリ殿はこちらに」

 ミクリは巫女の開いた脚の間に場所を与えられた。
 それぞれの脚は念写のさまたげにならないように両側の男たちが押さえている。乳白色の乳房の間に汗が光り、赤く立ちあがった乳頭は唾液で濡れていた。そして真ん前にたっぷりの蜜をたたえて花開く可憐な雌陰。まばゆい光にさらされて、あやしくうごめく孔の入り口まで見える。劣情に負けて、そのままのしかかってしまいそうだ。

 「さすがのミクリ殿もそそられるでしょう?さあ、巫女さまのこの艶めかしいお姿をしっかり繁殖札に写し取ってください。雌陰はもちろん、蕩けた表情まで寸分変わりなくお願いいたしますよ」

 高まった身体を持て余す愛らしい少女は、現実から逃れるかのように目を閉じ顔を背けている。肌はしっとりと濡れ、乱れる息の合間に放せと声を張った。

 ミクリはあられもない姿を目に焼きつけ、かたわらに置いた札紙の上に右手を置いた。意識を集中し、官能的な光景を右手に送る。そうしてしばらく念写を続け、手元の札を確認した。

 札紙には大股開きの全裸の女が映し出されていた。乳白色の乳房に赤い乳頭が際立ち、黒い陰毛と濡れた割れ目をさらけ出している。恍惚とした表情は、熱い息が伝わってきそうなほど色っぽい。上から30枚くらいまでは鮮明に念写されていたが、その下は徐々に薄くなっていた。

 その頃には巫女も気力を取り戻し、悪態が増えだした。

 「ミクリ殿、交代しましょう」ムスカリが有無を言わせぬ態度で彼を押しのけた。

 「てめっ!ハゲ!さわぁっ――」巫女の罵声が裏返った。

 ムスカリがいきなり指を肉壺に差し込んだからだ。子孫繁栄の神官はその卓越した性戯で、少女の胎内をかき回し出し入れしている。
 巫女が感じているのはその表情を見れば明らかだ。クチュクチュと音が立ち、短い指はたちまち3本になった。

 その様子を男たちは無言で見つめた。病払い師以外、皆息を荒げている。
 繁殖の巫女の食いしばった顎がのけぞった。

 「巫女さまはつゆも豊富でございますなぁ」
 ムスカリが濡れた指を抜いた。人差し指をはんこ代わりに、繁殖札の股間部分につゆをぬりつけた。
 「次」
 ミクリに札をめくらせ、膣からつゆをすくってはぬりつけていく。30枚ぬり終わると、また彼に念写をさせた。

 「そこまでです!」
 その工程を3度繰り返したところで、カルカヤから終了がかかった。
 「これ以上の作業は巫女さまの負担になる。身体は冷えるし、御子が流れたら元も子もありません」

 案の定、ムスカリは不満そうだったが、御子のことを言われると我を通すこともできないようだった。
 「仕方がありません。また日をあらためてお札の制作を行いましょう。これっぽっちでは出生率をあげるには遠く及びませんからなぁ」最後はほくそ笑んでいた。

 それから繁殖札の作成は週に4日の頻度で、5か月続いた。その度、ムスカリは大張り切りだった。
 繁殖札は評判に評判を呼んだ。けっこうな値がついていたが、貴重な品を求めて多くの信者が訪れた。
 何しろ繁殖札で発情して生殖すれば、受精率をあげられるというありがたいお札だ。しかも封を切り巫女の姿を拝んだとたん、淫画が消え失せるのだから使い回しができない。子孫繁栄の神殿はたいそう潤ったそうだ。








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