繁殖の巫女(R18)

□交接の儀
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 「では、これより交接の儀を執り行う」
 第3王子が元の位置に戻ったところで、いきなりムスカリが儀式の開始を高らかに宣言した。

 「いや、待ってよ。人違いなんだってば!」
 イケメン王子の紹介にちょっとばかり浮かれていた茜は、慌てて声を張りあげた。

 後ろから誰かの手が肩を掴み、おでこにひやりとした手のひらが当てられた。そこからしびれる何かが入り込み、手足に広がっていく。後ろを見た彼女の目に、ミクリの白っぽい髪が見えた。

 「しばらく身体が重くなるだけですから、心配いりませんよ」魔力の神官が落ち着いた声で言う。

 その言葉通り、立っていられないほど身体が重くなってきた。

 ミクリの手が離れると、すかさずバンダのたくましい腕に抱きあげられた。向かう先は中央の囲いだ。
 他の人たちの手ですべてのカーテンが開けられ、大きなベッドが現れた。
 マットレスに白い布が敷かれ、茜はそっとその上に寝かされた。

 複数の男たちに囲まれて行われる交接の儀。ここまでくると、もう嫌な予感しかしない。

 足元からムスカリがベッドに乗りあげてきて、いやらしい笑みを浮かべた。

 「い、やぁぁ」しゃべるのもしんどい。
 全身の筋肉がしびれたように動かない。それでもムスカリが身を乗り出してくると、鉛のように重い腕を必死で動かした。

 「誰か腕を」
 ムスカリが命じると、左側にいたバンダが大きな手のひらで包み込むように彼女の手を握った。

 「大丈夫だ。ムスカリは痛いことはしない」

 「や、だっ。放して」

 「心配いりませんよ。すぐに終わりますからね」ミクリのカサカサした手が、左手を握った。

 「ではこれから巫女さまの純潔を確認させていただきます。ちょっと診るだけですから、力を抜いていてくださいね」

 無理だ。のんびり寝っ転がって、このキモい奴の好きにされたくない。
 「わざわざ確認しなくたって、してない、って。純潔純潔」

 「儀式は定めにのっとって行われますので、変えられないのですよ」子孫繁栄の神官がうやうやしくローブの前を開いていく。

 当然、下は裸だ。白く光る膝こぞうが顔を出し、張りのある太ももが暴かれ、黒い陰毛が外気にさらされた。へそから上は難を逃れたが、1番見られたくないところがむき出しなのだから、気休めにもならない。
 「マジ、してない、って。触んな、ハゲ」感情がすさんで、言葉も荒くなる。

 すぼめた膝がいとも簡単にすくいあげられ、開かれた。
 「吸いつくような肌だ」ハルニレがぽっちゃりした手で、開いたふとももを撫でている。

 「手ぇ放せっ、ブタ!」

 カルカヤがもう一方の膝をやさしく、だがしっかりと開いた。

 「放せつってるだろ!根暗!」

 「かわいらしい雌陰だ」ムスカリがハゲ頭を脚の間に下げ、つぶやいた。

 それを受けてハルニレも頭を傾けて、股間を覗き込んだ。
 「肉襞が恥ずかしそうに閉じていますな」

 「なに、私の手にかかれば、きれいに花開きますよ」エロ親父どもが、勝手なことをほざき合っている。

 あまりの屈辱に、恥ずかしくて悔しくて涙が出た。

 男どもは神妙な顔を取り繕っているが、いやらしい目で茜の脚の間に注目している。王家の3人ですら、足元側からこの様子を見守っていた。

 「巫女さま、調べを始める前に、入り口をほぐしておきましょうね。まずは聖水を使いますからヒヤリとしますよ」
 ムスカリはしかつめらしい顔をしているが、口元は下卑た笑いにゆがんでいた。盃からとろみのある液体をすくい取り、茜の割れ目にぬりつけた。

 「あ、やめろっ。触んな」手足をよじるが、力が入らない上、掴まれてびくともしない。

 とろみは彼女の体温ですぐに襞になじみ、短い指が滑らかに溝を滑り始めた。
 キモハゲに1番、恥ずかしい場所を触られ、虫唾が走る。
 しかし寝る前にオナニーをしたせいか、クリトリスがすぐに刺激に反応した。しかも自分でするよりはるかに気持ちがいい。家のベッドで快楽にふけったのが、遠い昔の出来事のようだった。

 「さすが繁殖の巫女さま。もう快楽の芽が芽吹きましたぞ」
 いやらしい指がしつこくクリトリスをいじり始めた。さすってつまんで、つまんでさする。その力加減たるや強すぎず弱すぎず、絶妙の力加減で彼女の官能をあおっていく。
 キモハゲを蹴り倒してやりたいが、脚は掴まれ拡げられたまんま。それどころか容赦ない快楽に焼かれ、淫らな震えが走った。
 「んんん――」

 「さすが、ムスカリ殿。雌陰が開きましたぞ。つゆもあふれて、たまりませんな」

 デブの声に、茜は正気を取り戻した。息があがり、汗ばんでいる。不本意ながら、軽くイってしまったらしい。相変わらず手足は拘束され、脚の間にはハゲがいた。脚の間にふたつ並ぶ顔はにやけ、肌の色が赤くなっている。興奮している証拠だ。

 「もう、やめてよぉ」もう茜には強がる元気もなかった。

 「いやいや。肉壺の入り口をほぐしておきませんと、巫女さまがつろうございますよ」
 無慈悲なエロ親父は襞の間に指を進めた。無垢な孔にほんの少し指を入れ、クチクチと出し入れし、思い出したようにクリトリスをかすめる。それを何度か繰り返したあと、短い指をズクリと膣に挿しこんだ。
 「なんと!巫女さまはいい肉壺をお持ちだ。締まりが素晴らしい。これならどんな雄芯も1分と持ちますまい」お世辞を言いながら、腹側、尻側と指の向きを変えて蕩けた粘膜をしつこくこすった。
 そのせいで弾けた熱がまた集まってくる。

 「ムスカリ殿、そろそろ準備はよろしいのではありませんか?」
 この鬼畜を止めてくれたのは病払いの神官だった。陰気な顔も心なしか色が濃くなっている。

 「いやはや、申し訳ありません。つい巫女さまの身体に夢中になってしまいました」
 ムスカリは真面目な顔をこしらえ、茜の中から指を抜いた。短い中指は濡れていた。

 ムスカリとカルカヤが入れ代わり、今度は病払いの神官が脚の間にひざまづいた。
 「それでは内診を始めます」それまでオドオドしていた彼の視線が、使命感を帯び鋭くなった。

 「やだよぉ……」茜は涙声で訴えた。

 それでも指は入ってきた。ひんやりした細い指が、必要以上に粘膜を刺激しないようにそっと奥へと入ってくる。細面の男の顔は真剣だ。ある場所までくると、目を閉じ意識を指先に集中した。

 彼女の中では長い指がゆるゆると動いている。茜もおとなしくして――といっても動けないのだが――少しでも早く診察が終わるのを待った。
 ほどなく指はするりと抜けていった。

 「次は視診で確認いたします」

 ししん?
 茜が戸惑っているうちに、さらに膝をあげられ腰が浮いた。当然さえぎるもののない恥部も大胆に男たちの目にさらされた。
 「やだっ。恥ずかしいよぉ。やめてよ」
 茜はもがくが、男たちのなすがままだ。

 カルカヤがどこからかハサミのような器具を持ち出し、彼女の秘裂にあてがった。
 「すぐに終わりますからね」冷静な声が聞こえ、冷たい金属がゆっくりと膣に侵入してくる。

 さすがに動くと危ないような気がして、茜は固まった。

 それほどいかないうちに侵入は止まり、冷たい金属が小さな孔を広げた。
 カルカヤは杖の先に呪文で光を灯すと、緑の頭を下げて熱心に彼女の中を観察し始めた。

 茜は静かに涙を流した。クラスメートのエッチな話を盗み聞きしたから、罰が当たったのだろうか?オナニーにふけったのがいけなかったのだろうか?
 誰も彼も下半身で行われていることに釘づけで、彼女の涙に気づかない。茜は天井の一点をにらみつけ、涙を流し続けた。

 カシャンと音がして器具が引き抜かれた。
 「終わりましたよ」
 終了を告げた病払い師は、茜の顔を見て片づけの手を止めた。長い腕を伸ばして、彼女のこめかみを濡らす涙を拭く。
 「さあ、皆さん、診察は終わりましたよ。手を離してください」有無を言わさぬ医者の命令だった。

 それからテキパキと手足をもとの位置に戻され、次々と男たちがベッドから下りていった。最後にムスカリが神の祝福を、と陰部に花の匂いのする聖水を塗りつけ、元通りローブを閉じた。

 カルカヤは王の前にひざまづいている。
 「目視、触診ともに処女膜を確認いたしました」

 茜はベッドに横たわり、その報告を聞いていた。動きたくても手足は鉛のまま、動けない。麻酔をかけられているかのように重く、しびれた感じがあった。
 しかもハゲがつけた聖水とやらが、過敏になったクリトリスをやたら熱くさせている。これは聖水じゃなく、性水だろ、と突っ込みたくなるくらいムズムズする。自由に動けたなら脚をすり合わせたいくらいだった。

 ハラン王は病払い師をねぎらい、第1王子にうなずきかけた。

 シオン王子は紫の長い髪をなびかせて、茜のいるベッドにやってきた。
 彼がベッドにあがると、スルスルとカーテンがベッドを囲み、ふたりだけになった。

 だが、茜にはわかっている。この薄い垂れ幕の向こうで、異世界の男たちが今も耳を澄ませていることを。
 試練は始まったばかりだった。







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 まだまだ続きます。異世界だからとあちこちに造語を使っております。漢字の雰囲気で読み取っていただければ助かります。





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