その他 短編集
□短く輝く命の上に
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短く輝く命の上に
(悔いなき選択より)
『...イっ...リヴァイ!』
「...どうした」
『魘されてたみたいだけど大丈夫か?』
報告書類を提出しに、リヴァイの部屋を***が訪れた時のことだった。
紙が広げられた机に倒れ込むようにして彼は寝ていた。
私はきっと疲れているんだなと思った。
『ここに報告書』
そう言って***は片方の手に持っていたものをリヴァイに見せ、
『置いとくからな』
と机の上にぱさりと置いた。
去ろうとする***をリヴァイは引き止める。
「...まだ分からない」
『信頼する仲間の選択を信じても、自分の選択を信じても?』
溜め息をつきながら言った***の方を見た。
『全ては結果論。誰にも分からなくて当たり前だ』
夢見たのは遠い昔の記憶。
自分が調査兵団に入隊させられた頃のものだった。
『そして、人間はいつか死ぬんだよ。だから今を精一杯に生きてる』
判断を誤ったせいで仲間を2人失くした。
『そいつらの意思はお前の心の中に残ってるさ』
“だから立ち止まるな”
***はにぃと微笑んだ。
『リヴァイが死んだら...その時はうわぁんって泣いてやるよ』
「馬鹿野郎が」
ひらひらと手を振りながらその場を去った***だった。
*終わり*