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□新しい週の始まり
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新しい週の始まり
『あ〜!!今日は燃えるごみの回収日だったんだ』
玄関の隅に置かれた丸いごみ袋を見つけ思い出す。
先週も結局出せなかったんだよなぁ。
1週間分×2。
その重さを想像して大きくため息をついた。
『よいしょっと…』
ごみ袋を持ったまま玄関を出た。
「***おはよう。朝から君も大変そうだね」
同じタイミングで外に出てきたのは少し驚いた顔をした喰だった。
『忙しくて先週分も出せてないからちょっとだけ重い』
ちょっとだけ重いなんて真っ赤な嘘。
本当はとても重たい。
弱さを見せると絶対笑われるし、なんだか負けた気になるから嫌だった。
『これ出さないといけないし先にいくね。じゃ』
進行方向に一歩踏み出した途端に腕から力が抜けた。
『え?』
***が後ろを振り返ると片手で2つのごみ袋を持つ喰の姿があった。
それが彼の優しさだと気づくのに少し時間がかかった。
「え?じゃないでしょ。か弱い女の子がいたら手を差し出すのが男の役目だよ」
『あ、ありがと』
そう言って喰はため息をついた。
「行くよ。持って行ってあげるから」
『ちょっ…ちょっと待って!手を握る必要あるの!?』
「あるに決まってるでしょ」
―誰か助けて下さい。
こいつの隣だと私の心臓が持ちそうにないです。
終わり