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□I wish
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I wish


「…***?」

定期検査のために訪れた検案塔。

朔は一人の女性に釘付けになった。

確めるようにもう一度、名前を呼ぶ。

「***なのか?」

***と呼ばれた女性は朔の声を聞き、ゆっくりと振り返った。

『…朔?』

きょとんとする彼女を朔は近づいてぎゅっと抱きしめる。

『えっ…ちょっと!皆が見てる』

「少しだけ…このままで居させてくれ」

『…分かった』

恥ずかしくなり、上昇する体温を感じながら彼を突き放すことなんてできなくて。

無意識に背中に腕を回していた。

『もう会えないと思ってたけど、ここにいればいつか会えるって信じてた』



2人は将来を誓い合った仲であった。

別れを告げたのは朔から。

仕方がなかったとはいえ、後悔がないと言えば嘘になる。

お互いはお互いに相手のことを思ったゆえにその現実を受け入れたのだった。

でも、好きで好きで愛しくてどうしようもなかった。



「***…大変だっただろ?ここに入るまで」

『ううん。貴方の為だと思えば全然苦じゃなかった』

そんな***を見て、朔は優しく微笑みそっと彼女の唇に自分のをあてたのだった。


(相変わらず大胆さは変わってないのね…朔の馬鹿!)
(俺は今、お前しか見えてないからな)
(は、はぁ!?もういいから黙ってて!)
(照れんなって、逆効果だぞ?)


*終わり*

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