その他 短編集
□君がいるだけでいい
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君がいるだけでいい
『アルミン〜!』
「うわわっ、***!」
壁外調査から帰還した僕を一番に迎えてくれたのは***だった。
『頭怪我してる!大丈夫?他に痛いところは?…すっごく心配したんだからね』
ぎゅーとアルミンの服を握りしめている***の声はかすかに震えていた。
「***?」
『…なぁに?』
涙目+上目遣い=反則
『アルミン?』
返事がないのを不思議に思ったのか***は下から覗き込むようにじっとアルミンを見つめた。
「ななななんでもないっ!」
『本当に?』
早く離れてと言わんばかりにアルミンは首を縦に振った。
『了解っ。じゃあ傷の手当てしてあげるから一緒に私の部屋に行こう?』
「わかった…って、え?」
その返事を承諾ととったのか***は彼の手を握り歩き出した。
「み、皆が見てる。…恥ずかしいよ」
『私は嬉しいっ!アルミンが側にいてくれるだけでいいの』
彼女のその笑顔に僕は何も言えなくなってしまった。
こんなにも生きていることは素晴らしいことだと。
君がいてくれるだけで、そう思えることができたのだから。
「好きだよ…***」
終わり