その他 短編集

どうしてそこまでできるんだよ
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なんでと理由を聞かれても

ーそれは君を助けたかったから

ただそれだけだよ。



『アルカ。私の願いを聞いて欲しいの』

目をまんまるにしたアルカは***の瞳を見るように覗き込んでから口を開いた。

「ねぇ...***。右目の視力をちょうだい?」

『うん、いいよ』

***の前のお願い事は、もう一度地面を踏んで歩きたいというものだった。

半分の視界が真っ黒に染まる。

次はどんなお願い事をされるかな?なんて冷静に考えている自分がいた。

「***〜。次は次は涙をちょうだい?」

『わかった』

半分は視力のない瞳だ。

泣けないようになるぐらいならお安い御用だ。


最後の願いは...

「***...じゃあね、***の綺麗な髪の毛をちょうだい?」

そう言ってアルカはえへへと微笑んだ。

『うん』

しゅっと音がして肩から下の髪の毛がぱさりと地面に落ちた。

生まれてから切ることの無かった漆黒の髪。

地面に落ちた瞬間、さらりと消えて行った。

アルカから何かに表情を変える。

『キルアが瀕死の状態なの...だからお願い、助けて』

「あい」

返事をした瞬間、ぱっといつものアルカに戻った。

『ありがとう。また来るね』

「ばいばい〜」


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