企画夢
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交わらない平行線 × アリババ
(バレンタインコラボ企画)
『久しぶりね。アリババ』
綺麗という言葉がぴったりなほどに微笑んだのはアリババの姉である***だ。
18歳の頃に王女という立場に嫌気がさして国を逃亡。
現在はどこかの国の政務官として元気に暮らしているそうだ。
「ね、ねねね姉ちゃんかよ!びっくりした」
『貴方がここ、シンドリアに居るって噂で聞いてね。休暇をもらって遊びに来ちゃった』
その飾らない笑顔に一瞬どきりとする。
赤くなる頬を隠すようにアリババは***に話しかけた。
「その持ってる袋何が入ってんの?」
あぁ、これねと言いながら***はその中から一つ取り出しアリババに渡す。
『レシピ見ながら作ったんだけどねぇ…上手く出来たかわかんないけどチョコ。良かったら食べて』
「…さんきゅ」
『いつも訓練頑張ってるんだってね。ほんっとアリババは私の自慢の弟だよ』
「なんで訓練のこと知ってんの?」
それはと話し出そうとした***を誰かが呼んだ。
あれは…。
『ジャーファル!久しぶり』
ジャーファルの元へ駆けていった***は本当に幸せそうで。
「淡い期待して。馬っ鹿じゃねぇの、俺」
アリババの呟きは誰に聞かれることなく消えていった。
はずだった。
「悲しそうな顔しないでください。アリババさん」
*終わり*
→あとがき