企画夢


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+極と−極 × アルミン
(バレンタインコラボ企画)


2月14日、昼。

午前の訓練が終わりやっと休憩が与えられた。

「はぁ…」

一つ大きな溜め息をつく。

もともと運動は得意では無かった。

僕は調査兵団なんかに来るべきじゃなかったんだ。

誰にも気付かれないように二回目の溜め息をつく。

沈んでいく気持ちをどうすることもできないでふと顔を上げた時、ばちりと目があった。

『隣、座ってもいい?』

彼女は***。

ミカサと互角の成績で訓練兵を卒業した逸材だと言われている。

中でも彼女の立体起動は鳥が空を飛んでいるように滑らかで綺麗だった。

僕も一度だけ見た覚えがある。

「うん。いいよ」

『ありがとう』

軽く微笑んだつもりだろうがアルミンにとっては大ダメージだった。

暴れだした心臓がなかなか落ち着いてくれない。

『私、***。アルミン君だよね?君と話してみたいって思ってたんだ』

「…僕と?」

頭に疑問符を浮かべると彼女はうんと可愛らしく頷いてみせる。

さっきから心臓がうるさい。

理由なんてとっくに分かってるくせに。

『座学の発表会があったじゃない?君の発表にすごく感動したの』

「え?」

『私ね。考えるより先に行動してしまうから…すっごく憧れる』

憧れる?

「僕なんかに?…僕は***さんの方が羨ましいけどな」

そしてアルミンは僕なんか良いところなんて無いよと言った。

『そんなことないよっ!』

***はばんっと机を叩いて立ち上がった。

周囲の話し声が止まる。

思考より行動が先行すると言った彼女の言葉は本当らしい。

『あぁ〜と、用事を思い出したんだ!アルミン君も一緒に来て』

***はアルミンの手を掴み走り出した。

食堂にいた人は何だったんだと何が起きたかよくわかっていないようだった。




『緊張するといつもこれだ〜。ごめんね?驚かなかった?』

「いや…別に」

そして***はアルミンの両手を包み込む。

『人には無いものを持ってるって素敵なことだと思うの』

だから良いところなんて無いなんて言わないで。

「どうして僕にそんな事を?」

『あなたが大好きっ!良かったら受け取って?』

差し出されたのはハート型のプレゼント。

アルミンは口をぽかんと開けている。

そんな彼を見て***は微笑んだのだった。

「とても…嬉しいよ」

照れた顔があんまりにも愛しくてプレゼントを持ったまま頬にキスを送った。


+極と−極
(違うもの同士、惹かれ合う)


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