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と-
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青と桃と‐A
 
「そいやお前倒れたんだってな、大丈夫だったか?」
まともに顔見れないよ…
『うん…全然大丈夫だ…か…らさ』
「本当かよ?ってかなんで顔逸らすんだよ?」
『逸らしてなんかない…よ?』
「じゃあ、こっち向けよ」
青峰は自分の手を伸ばし私の顎を掴む
『え!ちょっと止めてっ』
「青峰くん!」
「なんでテツが止めるんだよ」
そこに桃井が来る
「大ちゃん!嫌がってるから止めなよ!」
「なんだこの騒ぎは…」
『キャプテン…すいません、私が悪いんです』「いや、違うんだ赤司!俺が…」『すいません私の責任です!』「なっ!?」
「まぁ、いい。試合を始める。2軍は向こうで準備をしてくれ」
『はい、わかりました。テツヤ行こう…』
「でもいいんですか?」
1軍から離れながら黒子が聞く
『いいの』
 
試合開始のホイッスルが鳴る
今回の2軍のスタメンは私がセレクトしたベストメンバー
1軍の強さは知ってるけどいつも勝てるように祈っている
 
試合を記録しながら試合をみる
 
はぁ…やっぱかっこいいな
なんて思いながらさっきから大…じゃない青峰くんしか見てない
 
でも青峰くんは桃井さんの事が好きで桃井さんは青峰くんの事が好きそうだし…
 
試合終了のホイッスルが鳴った
 
『あれれ?』
もう終わったんだ…
結果は72対95 
うーん残念
『みんなお疲れ様!』
「おぅ!サンキューな」
『ごめんね、私の力が足りなくて…』
「んな事ねーよ、お前はお前で頑張ってるよ」
『ありがとう、先輩』
「お前はやっぱり笑顔がいいわ」『なっ!』
「顔真っ赤だぞ」
「「はははははっ」」
『むー、帰って練習やるよ!』
 
「大ちゃん、いつからかなぁ…私達の前で笑わなくなったのは」
「知らねーよ」
「あの頃は楽しかったなぁ…そう思わない?」
「まぁな、あいつもなんかあるんだろ」
「なんかって?」
「俺が知るかよ!」
「知りたくないの?」
 
1軍の体育館の靴箱で選手達が靴を履いている
『あれ?テツヤいませんか?』
彼の姿が見当たらない
「キャプテンに呼ばれて戻ったよ」
『ありがとうございます』
タタタタタッ
はぁ…テツヤいた!
顔だけのぞくようにして彼のいる方を見る
『あ!帰ってきた』
『なんだったの?』 
「2軍の選手達の能力が上がっていたらしいです」
『誉められたんだ、良かった!』
「それと…青峰くんが用事があるから来てほしいと言ってました」『用事…?』「はい」
『どんな顔して行けばいいの?私まだ向き合えないよっ!』
「逃げてばかりじゃいけないと思います」
『テツヤ…?』
「それに青峰くんのこと好きなんじゃありませんか?」
『え!?なんで…それ』
「顔を見れば簡単にわかることです」
『そんなに出てた?』「はい」
「僕ここで待ってますから、行ってきてください」
『うん…わかった』
スタスタスタ…
幼なじみの所へ歩を進める
『何かな、用事って?』
「なんかあったのか?」
『なんで?』
「お前、俺達のこと嫌いになったのか?」
「大ちゃん!ストレート過ぎじゃ」
「さつきは向こう行ってろ」
「わかった…」
「さっきの質問の答えくれるか?」
『…』
「やっぱり、嫌いなんだ『違う!』「!?」
『昔から2人の事は大好きだったよ…でも2人に私は不釣り合いなんじゃないかって…うっ』
目から涙が出てきた…
『でも追い付こうと私…なりに頑張った…っ…つもりだった』
止めようとするけど
止まらない涙
『でもね…っ…ぅ…やっぱり駄目で2人を避けてた』
『ごめんね…こんなっ…泣いたりするつもりじゃなかっ…』
グイッ
『うぇ?』ギュッ
え?どうなったの…
「お前の気持ちはわかった」
『青峰っ…くん?』
「言いたいのはそれだけか?」
『えっ…ぅ…とっ』
「お前が言いたいことはそれだけか?」
『えっとね…っう』
 
『私…青峰っ…ぅ…くんの事が好き』
「よく言えました」
そう言ってガシガシ私の頭を撫でる青峰くん
『なっ!なにすんの』
「お前の口から聞きたかった」
『え!?わかってたの?』
嘘でしょう〜そんなにわかるの
「俺は昔からお前のこと知ってんだぜ?」
『反則だよ〜』
「おいっさつきちょっと来い」
「どしたの?」
『ごめんね…桃井さん…』
「いいよ!全部話は聞かせてもらっちゃった」
『嘘…まさか…』
「うん!お似合いだと思うよ、2人とも」
『えっちょっと待って!青峰くんと桃井さんって付き合ってるんじゃないの?』
「「違う/よ/ぜ」」
「ってかまず桃井さんやめてよー」「俺も青峰くんはな」
『あっ!ごめん』
「さっきの返事だけど…」
『いやっ気持ち伝えただけでいいの』
「俺はやーだねっ」
『は!?』
「俺もお前が好きだ」
『なっ!?』
「青峰くん、相変わらず大胆ですね」
『テツヤ!』
黒子に抱きつく
『ありがとう、テツヤ』
「お前いきなり浮気かよ」
『違うもん!』
「テツ、覚えてろよ!」
「なんのことですか?」
『テツヤ逃げよう〜』
「わかりました」
「こらっ待てっ」
「ふふっまた笑顔が戻った」
‐end‐
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