とりあえず行こうぜ

□4.捨てられた小さな竜
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「はい、もう大丈夫ですよ!ミニリュウはこの小部屋にいますので行ってあげてください」
ジョーイさんが小部屋の鍵を渡してきた
「ありがとうございます」
そう一礼して、俺は小部屋に向かった
「よし、ここか」
何故だろうか緊張してきた
ガチャ
「ミニリュウ、大丈夫か?」
小部屋に入ると、大きな水槽の中にミニリュウはいた
『はい、大丈夫です、ありがとうございます』
水槽から体の半分を出して、ペコリと一礼した
可愛いな……
『ねぇ、お前何であんな所にいたの?主人にでも捨てられたの?』
『あっ、え……』
『……わかりやす』
ゴスッ
何だか凄く失礼なセツナに俺の弱い拳骨をかました
『あいたぁっ!』
「ごめんなミニリュウ、コイツ馬鹿なんだ」
ミニリュウは戸惑いながらいいえ、と言った
『で、でも気になるし!何でか教えてよ』
「セツナ……」
『わ、わかりました……お話致します……』
あ、いいの?!
『私の主人はポケモンブリーダー、医者志望の人間でした……、ついさっき、私は主人と旅をしていたのですが、私が具合が悪いと言った途端いきなり殴られて……「お前みたいなコンディションが駄目なポケモンなんていらない」と、言われて……それから……』
「ミニリュウ、もういいよ、無理するな」
『ごめ、なさ……っ』
ミニリュウの頭を撫でる、少しだけ震えていた
『……ブリーダーの癖にポケモンの体調管理すら出来なかった……意味わかんない』
セツナは椅子から降りて、ミニリュウに駆け寄った
降りる姿が綺麗だったな……
『ねぇ、俺達旅してんだ』
『見ればわかりますが……』
セツナ、勧誘しようとしてる?
ミニリュウが戸惑いながらコチラに助けを求めた。
セツナなんか怖いもんな
「突然なんだけどミニリュウ、俺達と来ないか?」
『えっ?』
「人間が怖いだろうし、信じるのも難しいし、初めてあった奴から言われても意味わかんないと思うけど」
ミニリュウの目を見て、
「俺の事を、信じてくれ」
『…………っ、私は、貴方を信じてもいいのですか?』
「ん、信じて」
あっ、でも嫌だったら逃げても……
『兄貴イケメーン』
ドスッ
擬人化したセツナの鳩尾を殴る
サクヤさんはおこだよ
『あの、貴方の名前は……』
「俺?サクヤだよ、好きに呼んでくれ」
ミニリュウを撫でる
凄くスベスベで気持ちいい
『兄貴ー俺も撫でて?』
「ん、おいでセツナ」
『わーい♪』
原型姿が可愛い!セツナ可愛い!
俺もう親バカでいいや
『マスター、私も名前が欲しいです!』
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