小説B

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×している、なんて陳腐な言葉だと思わないかい。まあでも、キミが納得するならそれでいいんだろうね。キミ達はなぜかそういうコトバが大×きだからさ。希望だの、×だの、友情だの。立ち向かえば大抵のことはどうにかなるとでも思っているんじゃないかな。馬鹿みたいだ、本当に。でももう目覚めることはない。ボクはもうすぐ眠ってしまうんだろうね。本当のボクはどこかに隠れて、かわりに絶望にまみれたボクだけが好き勝手するんだろうか。×をしらないボクが、なにも×しいとすら思わないボクが。うーん、本当に困ったなあ。もう忘れかけているみたいだ。×している、うん、くだらないけれどまあ素晴らしいんじゃないかな?そうだね、ボクも誰かに×されたかったなあ。せめて死ぬまでに一人くらいは、ボクを大事にしてくれる人に会いたかったんだけどな。ボクなんかには無理な話だったかな。まあダレカ、って言っても決まってるんだけどね、大事にしてほしい人は。それももう無理そうだよ、うーん、元々分かりきっていたことだったんだけど。
ちょっと左手が痛くなってきたよ。……これ、痛み感じるのかな?ボクのじゃないしさ。でも痛いな。切り落としちゃいたいくらいだよ。
苗木クン、呆れるんだろうな。

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