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□風邪にご注意
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駄目だ… もぉ…
俺しぬ……!!!!!!!!
*
ゴホッゴホッゴホッ!!!
「だ、大丈夫かぁ〜?赤海栗ィ」
「ぅ、煩い…なぁ…ゲホッ!!」
言いたい言葉もまともに言えず咳ごんでしまった。
今日、朝起きた瞬間にわかった。
身体が重くて咽喉が痛くて声が出ない…
完全な風邪だ。
普通に喋ろうと口を開くと、
言葉の変わりに咳が出る。
いつも以上にイライラするのは気のせいだろうか。
「あーあぁ…せっかく今日お前と任務だったのにってハナシ。」
ため息をしながらサラッとシグバールが言った。
今は謝る気もしないし、任務に出ようと気にもなれなかった。
「ゲホッ…ぁの、シグ…」
「まぁまぁ無理して話すなよ。
どーせ熱もあるんだろ?」
言われてみれば熱いな…身体…。
*
結局、俺は今日の任務を休むことになった。
勿論サイクスは最初猛反対した。
ただでさえ今人手が足りない状況らしい…。
それで攻撃派の俺が風邪を引いた事で迷惑をサイクスにかけてしまった。
早く、治さないと…。
「ハァ―…」
ため息しかでない。
今は何時だろうか?
今日1日ベットで寝ていた…
結局何もしないで1日が終わったんだ。
なんて、無駄な―…
「おぅい赤海栗ぃ!!」
「ぇ、あ、シグバールッ?!?!」
いきなりドアの方から声が聞こえたと思えば、
ベットに飛び乗ってきやがった。
そのおかげでハッキリと目が覚めた…
「…任務、終わったのか?」
「あぁ。お前のせいで1人で任務したぜ?
ほら、おかげでこんなボロボロ。」
そう言って両手を広げるような形で
俺に見せてきたのは汚いシグバール自身だ。
よく見ると、黒コートは破けてる所があり
擦れた傷などで酷くボロボロだった。
任務がどれだけ過酷だったのか分かる。
「ハハ、すげーコレ…。コート替え変えなきゃな」
「笑ってるけどよ、感謝してんのかってハナシ」
「感謝してるって…つぅかそれより…降りろっ!!」
今の全体力を使って、シグバールをベットから降ろした。
はっきり言うと足の上に乗ってて正直辛かった。
「…っとぉ危ねぇ」
「重いんだよバカ。」
不思議な気持ちだ。
シグバールとこんな風に笑って話すのはいつ以来だっけ…?
たぶんずっと前だ……。