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□過去の親友
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カッカッカッ…

夜遅く、廊下を歩く靴の音だけが響いていた。

みんな寝ているのだろう。
この長い廊下は静まり返っている…。

不気味な気分だ。

今の俺には何も無い。
親友を失ったから。
過去には戻れないから…。

「…っ」

俺は立ち止まった。

此処はロビー…キングダムハーツの輝きが目に刺さる。
そして、それを見ていた人物がいた。
青い髪は、光によってますます光っている。

「アイザ…」

過去の親友―…
アイザの存在は俺にとって大きかった…

大好きだった…


「なんで此処に…?」

俺はアイザに聞いた。
こんな夜遅くに起きてるなんておかしいから。
まるで俺を待っていたかのようだ…

いや、待っていたんだ…きっと…

「お前が行ってしまうと思ってな…」

「さすがだな。アイザ、当たってるよ」

感情がない会話だった…。
もぉ、お前に笑う顔なんて見せる気にもならない。

もぉ、終わってしまうんだ…

「俺は…俺のしたいようにするだけ…」

「それがどういう事なのか知ってるのか?」

「わかってる、勿論。」

サイクスの声が少し大きくなったのがわかった。
どんなに言われようが俺は決めたんだ。

機関を抜けるって…

「アイザ…今まで悪かった…」

「…」

俺はまた歩きだした。
アイザの方向にだが、その前に闇の回廊を出した。

このまま俺は何処に行くのだろうか?
何も考えてない…
でも、不安は無かった。
そばにロクサスが居るような気がして―…

「さよなら…アイザ…」

この声はきっと聞こえてない。
だんだん回廊へと俺の身体は消えてった。


その時、なんとなく見えた気がしたんだ。

俺の方にやっと振り向いてくれた…

アイザの顔が…











アクセルッ…―




  
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