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□甘えてよ
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俺の彼女はしっかり者だ。
ハルみたいに世話が焼ける事は絶対にない。
だから俺は…そんな彼女に甘えて欲しいんだ。

「真琴…ネクタイ捻れてる」
「あ、ホントだ…」

彼女は俺よりしっかり者で几帳面。
だから少しのズレでも気になるみたいだ。

「ハルの事ばっかり気にするから」
「遅刻させる訳にはいかないだろ?」
「だからって真琴は人のお世話ばっかりしすぎ」
「お世話って…せめて甘やかしてるって言ってよ…」

苦笑いをする俺に対し彼女はネクタイを直し終え出来たと小さく呟いた。

「分かってるなら止めれば良いのに…ハルも成長しないよ?」
「俺はそろそろ岩鳶に甘えて欲しいんだけどなー…」
「私は自分で何でも出来るから」

確かに彼女が出来ない事は何もない。
完璧過ぎて困るくらいだ。
でも言いたいのは…

「そうじゃなくて」
「え?」

キョトンとする彼女。
その表情が愛しくて教室であるにも関わらず
誰にもバレないように彼女を抱き寄せた。

「ちょ、真琴!?///」
「確かに岩鳶はハルとは違ってしっかりしてるけど俺が言ってる甘えはそうじゃないよ」

少し目線を下に移す。
彼女は耳まで真っ赤だ。
いつもクールにしている彼女がここまで赤くなるともっといじめたくもなる。
まぁ今はしないが…。

「岩鳶はさ、俺がハルの傍ばかりに居て嫉妬しない?」
「なっ…!?」

妬かせたいなんて誰でも思う事だろう。
だからわざと俺はいつもハルの傍にいた。

「…わざとしてたの…?//」
「ん?」

勘のいい彼女は気付いていただろう。

問題はその言い方だ。
顔を赤くして上目遣いをされてはこちらの理性もおかしくなる一方だ。

「クス…岩鳶が妬くかなーと思って」

すると彼女は俺の胸に顔を疼くめた。

「…かった…」
「え?」
「寂し…かった…//」

珍しく素直な彼女に目を見開いた。
いつもはクールで甘える事なんてなく、ましてや寂しいなんて絶対に言わないから。

「き、今日だけ…」
「今日だけ?」
「今日だけ甘えてあげる…!///」

ホントにこの子は…。
俺を殺すつもりなんでしょうか。
可愛くて仕方ない彼女を俺は強く抱きしめる。

「ちょ///」
「今日だけ…?」

少し甘えた声で囁くと
ますます顔が赤くなる彼女。
こんな可愛い一面を知ってしまったらいじめるしかない。
ねぇ
これからは素直に甘えて?


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