短編

□どっち?
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四年は組、斉藤タカ丸です。

「喜八郎、滝夜叉丸と三木ヱ門は一体どうしたの?」
「どっちが先に髪に切ってもらうかで争い中でーす」
「アハハ……」


四年生の皆に髪を切って、と頼まれて約束のい組の部屋に行くと
まぁ、いつも通りといえばいつも通りの光景。


「先に切って貰うのはサラスト2位のこの私だ!」
「いーや、忍術学園のアイドルの私だ!」
「え〜っと、どうする?喜八郎」
「そうですねぇ。多分まだまだ続くと思うので、僕からお願いしまーす」
「は〜い」


ちゃっかり前に座った喜八郎に苦笑しながら、ふわふわの髪に手をのばす。


「「喜八郎、何ちゃっかりと!!」」
「まぁまぁ、ほら僕の次はどっちなの?」


喜八郎の言葉で再び争い始める二人。
うーん、息ぴったりだ。


「成績も良く、委員会では良妻賢母のこの私を先にするのだ!」
「私の方が委員会では良妻賢母だ!」
「何!?私はいけどんマラソンで力尽きた後輩の面倒を見て……!」
「私だって夜中に魂を飛ばす後輩の世話を……!」


あらら。なんか矛先が変わって来てる。
一体僕はどうすればいいのかなぁ。


「「お前も苦労してるんだな……!」」
「……喜八郎、これは二人が仲が良いってことかな?」
「まぁ、結局似た者同士ってことですね」
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