短編
□どっち?
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「「どーっちだ?」」
五年ろ組竹谷八左ヱ門です。
俺は今、大ピンチです。
毒虫が大脱走したり、小松田さんのとばっちりをうけたり、他にもいろいろ……。
結果的に、明日提供の宿題をすっかり忘れていて……。
「俺、今なら保健委員会入れる気がする……」
「なんか言ったか?」
「いや、つーか早く宿題見せてくれよ!」
「だから私たちをどっちが鉢屋三郎で、
どっちが不破雷蔵か当てたら見せてやろう、と言ってるだろう」
そして、俺の前にいるのは二人の鉢屋三郎。
いや、一人は雷蔵が真似している三郎だけど。
双忍と言われてるだけあって、雷蔵も三郎の真似が上手い。
「つーかなんで二人とも本気なんだよ!!」
「「おもしろいから」」
「おぉ。やっぱりすごいなー。
ハチ、宿題見せて貰うのは無理じゃない??」
「というか今の間に宿題やればいいんじゃないか?」
「……なんでお前らまでここにいるんだよ!」
まぁまぁ、とかお菓子と豆腐食ってる奴らに言われたくねー!!
大体、二・三日前に出された宿題を一日で終わらせられるかってんだ。
自慢じゃないが俺は頭がいい方じゃないんだからな!!
……しょうがない。ここは野生の勘で!
「こっちが三郎、こっちが雷蔵だ!」
とたんににやり、と顔を崩す二人。
さて、俺の運命はどっちに転ぶのでしょうか……。