短編

□夏といえば
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夏といえば 三年生でスイカ割り

生物委員会の菜園で採れたスイカ。
たくさん採れたからって全学年におすそ分けした。
これは、ぼくたち三年生の分。
先ずは、とろ組を覗く。


「あのさー」
「お、孫兵!」
「委員会終わったの?」
「そう。みんなここにいたんだ」
「だってここが一番涼しい気がするんだもん」
「だからって集まったら暑いだろ!」


まぁ、作兵衛の言うとおりな気もするけど。


「で、孫兵どうかしたのかー?」
「あぁ、うん。あのさ、菜園でスイカ採れたんだけど」
「「「「「スイカ!?」」」」」
「うん。食べる?」
「食べたい!」
「スイカ割りしよう!」
「待て待て待て!ここでやるな!外に出ろ!」
「孫兵行こう!」


引っ張られて外に出る。
高く登っていた太陽も傾いて少しは涼しくなっている。


「じゃあおれやる!」
「おれもやろーっと」
「待て!お前らはやるな!何頭巾ほどいて目隠ししてるんだ!」
「うわー!?」
「かずまー!」
「……大丈夫?」


藤内と一緒に数馬を引っ張り上げる。


「えへへ、ありがとう。藤内、孫兵」
「スイカはこっちだー!」
「そっちじゃねぇって言ってんだろ!」
「こっちか?」
「そっちでもねぇ!」


あ、二人ともこっちっていうか数馬に向かってくる。


「数馬危ない!よけろ!」
「え?え!?えー!?」


あ、また数馬穴に落ちた。
ぼくたちは一体いつになったらスイカたべられるんだろう。


「ねぇ、ジュンコ?」
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