短編

□夏といえば
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夏といえば 四年生でお祭り

「ねぇー、たきやしゃまるー、浴衣あついー」
「あーもーほら」
「ふー涼しい」


ぱたぱたと団扇であおいでくれる。
なんだかんだいって滝夜叉丸は優しいんだ。


「あ、焼きそば食べたい」
「ってさっきたこ焼きとイカ焼き食べただろ!?」
「三木ヱ門うるさい」
「喜八郎はいっぱいたべるねぇ」
「そりゃお腹すきますから」


屋台をみていると、ある屋台が目に入った。


「ねぇ、三木ヱ門」
「なんだ?」
「あれ取れる?」
「あれ?」
「そう」


僕が指差した方には射的屋さん。


「火器の扱いにかけては優秀の私に取れないわけがないだろう!」
「火器じゃないけど……」


パーンと軽い音がなった。


「ほら」
「おおー。三木ヱ門すごーい」
「さすがだねぇ」
「まぁ、この私にとっては簡単なことですけどね」
「うぅ、輪投げさえあれば私にも……!」
「輪投げってリンコちゃんかな……?」
「滝夜叉丸、輪投げあるよ?」
「何!?喜八郎、何が欲しい!?
千輪の腕ナンバーワンの私が取ってやろう!」
「えー?じゃああれー」
「いいだろう」


ぱすん、と輪投げの輪っかが落ちる音。


「取れたぞ」
「おおー」
「滝夜叉丸もすごいねぇ」
「むむ」
「どうだ三木ヱ門」
「こうなったらどっちが多く取れるか競争だ!」
「望むところだ!」
「ありゃりゃ、喜八郎どうしよ……あれ?喜八郎?」
「呼びました?」
「うん……ってえ?いつの間にぶどう飴買ってきたの!?」
「さっきです。ぶどう飴だけじゃないですよ?
りんご飴とべっこう飴もあります」
「うん……そっか」
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