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□お前ばっかり
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対等がいい。俺はコイツと並んでいたい。たとえ俺が真選組でも。副長でも。命の危険と隣合わせでも。
だから心配なんてのは野暮だ。
そうだろ?
なのにどうして、お前泣きそうな顔してんだよ。
なんでそんな強く抱きしめて、つらそうな声だすんだよ。


「お前が死ぬ間際、呼ぶ名前なんざ分かり切ってるよ。だからテメーが死ぬ前の日とかは、俺に名前呼ばせて、俺の名前を呼べよ。それができねぇなら、お前が命張ってる間俺を隣におけ」


「……さっきも言ったろうが。テメーにいえることじゃねぇって」


「解ってる。でも、譲らねェよ」



譲る気なんかない。



そう耳元で聞こえた声に眩暈がした。
きっとまたそうやって俺だけ護られてるみてぇなこといって、お前は俺の上へ行く。


これ以上支配されたら、戻れなくなってしまうから。だから対等がいいのに。
いつだって俺はテメーに護られて庇われて愛されて。



いっそ俺を閉じ込めてと言わせるくらいの愛情を注ぐから、また俺はお前に嵌まっていく。







「お前ばっかり、ずりィよ」


END
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