ギガキモス青春白書

□島根の熊
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19歳の頃。
婚約していた恋人に事故で先立たれ恋愛 する気力を全く失った椎名灰音は、心の 傷が癒えはじめた22歳で1歳年上の剛田 熊吉とつきあいはじめ翌年に岡山から熊 吉のいる島根へ嫁いだ。 幸せな家庭を築くはずだったのに…。

熊吉の実家の近くに一軒家をかりての新 婚生活。 夕食はなぜかいつも熊吉の実家。 灰音はうんざりしていた。
「灰ちゃん五月まだ買い物から帰ってこ ないよ。なにやってんだかあのバカ は!」
と 熊吉の祖母和代。
「かわいいかわいい熊吉ちゃんとお買い 物だから。熊吉ちゃん熊吉ちゃんって甘 やかしてんじゃね?(あーもう!!思い 出しただけで腹立つわ!あのマザコン熊 とバカ姑!!)」
「ほんまにあの嫁は!!」
と 和代が言ってるのが聞こえた五月。 イラっとしながらも我慢して部屋の中 へ。
「ただいま!」
「ただいまじゃねーぇこのクソバ バァ!!」
と 顔を見るなりブチキレた灰音。 熊吉は危険を感じフリーズ。
「あっはははははっ!傑作だね!熊吉、 嫁と母の板挟みになっておいで。私さん ぽ行ってくる。」
「ちょ…おばあちゃん…!(ヤバいな…な んで仲良くしてくれんの!?)」
「灰音さん。あなたうちの嫁としての自 覚が足りないんじゃなくて!?嫁ならば おとなしく熊吉ちゃんとあたくしを敬い なさい!!」
「無理!あんまりコイツを甘やかさない でくれますか?ウチがパートで働くよう になったからって会社辞めて全裸で食っ ちゃ寝するようなヤツをなんで敬わない けんの?!帰る!!」
「は、灰音!」
「うっさいわこのマザコン熊!!」
「…あーーん!ママーぁ!!」
と 泣き崩れる熊吉。
「よしよし。熊吉ちゃん!あんな嫁の言 いなりに絶対なっちゃダメよ。」
と 強く抱きしめる。
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