虜 〜メロウハニィ〜

□#8 ぽにぽに【後編】
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二人はコンビニを離れ橋の上にいた。


真「さっきからずっと何か言いたそうな顔してるけど…
何?トシの事?」


真人は核心をつくとひなは口を開いた。


ひ「アイツ、いつもなら私が男の人と話してるだけでちょっかい出してくるのに、真人さんの時は全然だし…」


ひなは少しずつ話始めた。


ひ「それにアイツはいつも祐貴を気にしてるから、何か少し調子狂っちゃって。
でもやっぱりそれって三人が幼なじみだからですよね?」


そんなひなに真人は曖昧な返答をした。

真「…さぁどうだろうね。
でもそれって祐貴に嫉妬して、トシに止めてもらいたいみたいな言い方だね」

ひ「(えっ?)」

真「トシが好き?」


ひなは一瞬迷うと再び言葉を紡ぐ。

ひ「好きじゃないです、……まだ。」

真「そうだよね。
先の事なんてまだ誰にもわからないよね」


ひなは自分の発言に赤面し真人はクスクスと笑っていた。


真「……でも、一つ言うね。
祐貴を嫌いにならないであげてね。
これから先何があっても」

ひ「祐貴を嫌いになるなんて一生ありえないです!」


ひなは迷うことなく笑顔で真人に言い切った。

真「ありがとう。」



真人は静かに目を閉じた。


ねぇ姫……

これから先辛くて泣いて傷付いても


トシや祐貴を

責めないであげて。



どんな結果が待っていても

誰かのせいにして

逃げ出す事はしないで




真人の願いは暗闇へと


静かに溶けていった・・・
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