虜 〜メロウハニィ〜
□#8 ぽにぽに【後編】
4ページ/10ページ
『劉!』
祐貴は息を切らし劉の叫んだ。
「……祐貴?」
――言葉にしなきゃ
伝わらないよ――
真人の言葉が頭をよぎり祐貴は深呼吸をする。
「祐貴…俺に会いに来てくれたんだね」
『それが嫌いなの。
何で泣かないの!?
お父さん達死んだって、いつもへらへら笑って………
劉だって、私が憎いはずなのに。
なんでそんな笑顔で笑いかけんのよ…
やめてよ……』
祐貴の頬を涙が伝う。
言いたかった言葉が次々と零れ落ちる。
ずっと溜め込んだ思いがいっきに涙と一緒に溢れ出た。
.