虜 〜メロウハニィ〜

□#8 ぽにぽに【後編】
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10年前――

当日7歳になったばかりだった祐貴。


「ほら〜あの子よ」


親戚に顔を出すだけでいつも聞こえる厭味な声。
ひそひそ話してても聞こえてた。

そんなに私が憎い?

私にただの出来損ないだって言いたいでしょ。

知ってるよ。
そんなの自分が1番わかってる・・・・


「だから妾の子供なんて育てるんじゃなかったよ。
ろくな事がありゃしない」

「お祖母様!それ以上祐貴を悪く言うのは止めて下さい!」


当日13歳だった劉は遊びたい盛りなのに家を継ぐため、日々経済学などを学んでいた。


「人殺しがいたらを東條の名に傷がつく。
そんなやつ施設にでも捨てて来なさい」

「祐貴は僕の大切な妹です」


祐貴は泣くのを我慢し兄に抱き着いていた。
そんな祐貴を劉は抱き抱える。

祐貴は幼いながらも物事を理解できる歳だ。



「東條の長男なら財政を立て直す事に専念しなさい。
そんな人殺しを構ってないでね」

「っ…その事に関しては僕がなんとかします。
ですが!もうそれ以上祐貴の悪く言えばいくらお祖母様でも許しません」

「勝手に言ってなさい。」


そう言って祖母は去って行った。


幼い二人に辛い現実を突き立てられる



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