Short

□lovesickness.
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「アダム、機嫌直しなさいよ―って、何でロボットのアンタが機嫌損ねているの」
[機嫌を悪くしている訳ではない。機嫌という物は思考回路に存在していない]
「それが機嫌わるいっつーのよ…知能上げたら人間的感情が生まれたのかしら」
[人間的感情、必要のないものだろう]
「解体するわよ、これ以上私を怒らせると」

室内の温度が一気に下がるような声で、彼女はそう言い捨てた

「アルはアダムにも恋愛をして欲しいと思って嫁を作ったんだし、私だってアダムとずっと一緒に居られるわけじゃないでしょうに」
[グレイスが廃棄すると決定すれば、スクラップに回されるだろう]
「そういう短絡的な考えがムカつくのよ。」
[ムカツク、という感情は生憎理解できない]
「アダム、ロボットはもっと人間に近付かないといけない。少なくとも、貴方くらいは」


ふぅ、と溜息を一つ漏らしたあと、彼女はもう一度口を開く


「折角、天才科学者とベテランシスオペがコンビを組んでるのよ、勿体無いじゃないの」




そういって彼女は、ニッとえがおを見せた。








[…(恋愛感情、というものも悪くは無いのかもしれない)]
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