短編集

□輝夜の君
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<かずSIDE>

昼間はまだ暑いけれど
日が落ちると随分涼しくなって

秋が近いことを肌で感じる。

私は遅めのお風呂を頂いて
藩邸の廊下を歩いていた。

灯りのない廊下はいつもなら
歩くのも用心しないといけないくらい
暗いんだけど

今日は月の光でとても明るい。

「満月かあ」

ひときわ大きな月からの光で
藩邸の庭全体がライトアップされているみたいに
きらきらしている。

月明かりに誘われて
私は庭へ降り立ち月を見あげた。
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