徒歩5分306号室

□第三話
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「ベルのパンツ可愛くない。」
「えぇぇっ!?」

午後11時。食事も風呂も済ませ、適当なTシャツにハーパン(れっきとした家着である)で前髪だけちょこっと結んだ姿のわたしはソファに座り、課題をしていた隣のベルに話しかける。急に話しかけたからだろう、間抜けな声を出すベル。でもわたしは本当の事を言ったまでだ。

「だからね、ベルのパンツは可愛くないの!」
「い、いやぁ、急にそんな事言われても…」

課題をしていた手は止まり、冷や汗をかきつつわたしに言葉を返す。あぁ、たしかに急すぎたかも。なんて思えばしっかり話し始めるわたし。

「なんかパッとしないのばっかり!なんで変な柄モノばっかりなの!?逆にそんなの売ってるお店見たことないから…!」
「パンツとかお母さんが買ってきてくれてたし、そんな興味もないし…」
「あまぁぁぁっい!いざと言うときにそんなだっさいパンツでいいの?ダメでしょ?嫌でしょ?わたしだったらとても嫌だ!」
「あ、うん、確かに。でも僕にそんな時がくるとは思えないけどね。」
「いつかくるかもでしょ!」

ベルに説教がましい事をすると、今度の日曜はパンツを買いに行くという事になった。

「いやそもそも可愛いパンツって何だろうね…」
「それを勉強しに行くんでしょ。日曜。」





……という話をミーナにするとまるで夫婦のようね、なんてまた馬鹿にしてくれた。

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