妄想

□幼なじみのリヴァイくん
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私には片思いをしている相手がいる。今の設定上幼なじみなんだけど、私にはどうもそれ以上の関係になれる自信がない。ありきたりな話になってしまうのだけれども、やっぱり告白をして関係が壊れてしまうくらいなら私はずっと片思いでもいいのかな、なんて思ってる。だからいつも何も言わずにそばにいるだけ。

「りっくん、帰ろう」
「だからそのあだ名で呼ぶなっつってんだろ」
「いーじゃんいーじゃんリヴァイとか呼びにくいし!」
「しょうがねぇだろそれが名前なんだから」

私の幼なじみであり、片思いの相手はこのリヴァイという名前の人。別に外人である訳ではない。いや、半分外人。所謂ハーフってやつ。そのせいもありすごく綺麗な顔立ちで人気がないわけない。更に学年主席で生徒会長ときた。もうこの学校で1番2番を争うのではないかというくらいの人気っぷり。わたしが何も言えない理由はそこにもある。

「あ、りっくんりっくん、お腹すいたからラーメン食べに行こ!」
「…はぁ?」
「おーねーがーい!」
「……ったく、いくぞ」

なんだかんだこうやって、とってもとっても優しい人。
私がちんたらしてるうちに2人ぶんのカバンをもって教室を出て行ってしまった。

「しかも女子校生がラーメンとか…」

なんだかぶつぶつつぶやいているけど気にしないで私も教室を出る。

「ふふーん、楽しみ」
「ラーメンだけでそんな幸せそうになるやつ初めて見た」

不思議そうに言うけれど、別にラーメンだけでこんなにウキウキしているわけじゃない。街中に出るとそれはもうたくさんの放課後高校生で溢れている。中にはカップルだっている。そんな中で私とりっくんが2人で歩いていたら知らない人はカップルだと思うだろう。気持ちわるいけれどこれも本当に幸せだ。




「後ろ乗せろー!」

場所は変わって駐輪場。私は今日早起きしてテンションが上がってしまったため、何故か歩いて登校したのである。だから自転車はなく、ラーメン屋まで行く足がない。そうなると、りっくんの後ろに乗れるチャンスだ。こんなチャンス絶対に逃さない。

「無理」

しかし学年主席で生徒会長なるものがこんな悪事はできない、と。

「そ、そ、そこをなんとか…」

私を無視してサーっと行ってしまうりっくん。そこは譲らないのか…今日はラーメン中止、歩いて帰るか、としょんぼりしながら歩いて校門を出る。するとそこにはりっくんが。

「ここなら大丈夫だろ、乗れ」
「……え?」
「流石に校内では無理だろ、さっさと乗んねーと置いていくぞ」

やっぱり優しかったようです。
じゃあ失礼するね、と後ろの荷台座るとゆっくりと自転車は前に動き出す。

「なぁ、リン?」
「は、はひぃ!?」

名前を呼ばれるのはレアなのでちょっと声が裏返ってしまった。気にしない。

「お前、太った?」

…。
……。
………。

「…………。」

嘘でしょ。

「おいリン?聞いてんのか?」

今まで告白されてきた女の子の心をズタズタにすると噂のりっくん。確かに一言一言の破壊力が強い。

「おい」
「……えっと…3kgほど……」

前からの威圧感が凄まじいので正直に答える。

「…っは、そうか」
「うん……」

別に鼻で笑わなくてもいいんじゃないかなぁ…










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