□真昼の月のように
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「もーー!珠理奈!おそいよぉ!!」

案の定、帰るとにゃんにゃんは頬をふくらませて怒り出す
その顔が可愛すぎて今すぐにでも抱いてしまいたくなった

「ごめんー!許して?」

顎を掴んで柔らかい唇にキスをする

あたし達はもう1年くらいここで2人暮らし
でも恋人同士ではない

あたしは従姉妹のお姉ちゃんに
にゃんにゃんのお世話を言いつかってここにいる

掃除、洗濯、ご飯、時間管理、、あと、性欲処理?
そこまで言われたっけな?
でも元々可愛い子大好きなあたしにこんなこと頼むんだから、どうなるかなんて分かってるはずだ

初めて会った瞬間からにゃんにゃんの美貌にもう骨抜き
顔を見ればパブロフの犬よろしくムラムラくる

「ん、、じゅりな、、ごはんー」

気持ちよすぎて止まらなくなったあたしを膨れて諫める

そうだ、ご飯だった

「ごめんね。パスタ、すぐ作るから」

名残惜しくもう一度口付けてキッチンに入る
にゃんにゃんはソファーに座りテレビを見始めた

ルームウエアから覗く長い脚
モデルさんだけあって綺麗だ

「珠理奈、エロい目で見てるでしょ」

視線をテレビから移さずに話しかけられる

「ばれた?脚美味しそうなんだもん」

「もー!ばか!!」

小さめのクッションが飛んできて対面キッチンの壁にあたって床に落ちた

いちいち可愛い

「はは。できたよ!どうぞー」

サラダとパスタ、スープを並べる
くれぐれも栄養管理をしっかりしろと仰せつかってるから1品だけでは終わらせない

「うわー、はやいね!すごい」

「麻里ちゃん直伝のレシピが叩き込まれてるからね」

あたしの口から出る名前ににゃんにゃんが反応する

麻里ちゃん、、篠田麻里子は私の従姉妹でありにゃんにゃんの先輩モデルで片思いの人

もう8年も一緒に仕事してるのに言い出せないらしい
なぜなら、麻里ちゃんには好きな人がいるから

「へー、麻里ちゃんのレシピなんだー、、」

嬉しそうに頬張るにゃんにゃんにチリっと胸が痛む
気持ちってのは厄介なものだ

あぁ、今夜は爆発しそう
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