DreamU.
□図書室の
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「なあ、名無しさんまた断ったん?しかも、今度はあのみるきーやろ?」
「あーうん、断ったかも」
「かもってなんやねん、この前も朱里の断ってたし、やっぱモテモテやん」
いや、モテへんし
仮にモテてるんやったとしても、好きな人からモテへんのやったら何の意味もない
「…モテへんよ、彩のがモテるやろ」
「なーに、浮かない顔してんねん、なにむっとしてんねん、…未だに上西さんに話しかけられへんから?」
「な…っ!そんなんじゃない!…名無しくんは見てるだけでええねん…っ」
「ほんまに?そんなんで、上西さんに相手ができてもええの?」
彩のまっすぐな目に思わず目が泳ぐ
「う…よくない」
「やろ?」
「けど、今はまだ無理やねん、図書室で本借りるのが精一杯や」
図書委員の上西さん
綺麗な黒髪に
大きな瞳
清楚な雰囲気
誰にでも優しくて笑顔が可愛い
みるきーや朱里が目立ちすぎるからあれやけど、上西さんやって相当モテる
名無しくんなんかに振り向くわけない
そんなのわかってる
「ま、あの名無しさんが毎日本借りに図書室通うくらいやもんね、本なんて今まで読んだことなかったくせに」
「うっさい」
ニヤニヤしながら言う彩にむっとする