DreamU.
□近いようで遠いようで
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大きくてつぶらな目
長くて伸びやかな睫毛
真っ黒の綺麗な髪の毛
すっと通った鼻
整った顔立ち
笑ったときにくしゃってなる顔
あー好きやなあって斜め後ろの席から幼馴染みのあの子を眺める
真面目な彩は教壇の先生を食い入るように見てる
いいなあ、あの先生
彩にそんな見つめられて
なんて恥ずかしいことを考える
こんなに好きやのに伝えられへん
モヤモヤする
チクチクする
幼馴染みって立ち位置は、はたから見たら美味しいかもしれへんけど
実際、近くて遠すぎる
絶対そんな対象には見てもらえへん
可愛い幼馴染みとかやったらまだしも名無しくんは可愛くないし
運動も勉強もなにもかも平均
つまらない名無しくんなんか見てくれるわけがない
でも、毎日いっしょに帰れるんも
ちっちゃい頃の彩を知ってるのも
幼馴染みの特権で
この特権を手放せるかって言ったらできひん
想いを伝えることもできひんし、彩から離れることもできひん
だから、もどかしいこの距離を必死で保つしかない