DreamU.

□近いようで遠いようで
1ページ/4ページ


大きくてつぶらな目


長くて伸びやかな睫毛


真っ黒の綺麗な髪の毛


すっと通った鼻


整った顔立ち




笑ったときにくしゃってなる顔






あー好きやなあって斜め後ろの席から幼馴染みのあの子を眺める




真面目な彩は教壇の先生を食い入るように見てる




いいなあ、あの先生



彩にそんな見つめられて



なんて恥ずかしいことを考える



こんなに好きやのに伝えられへん




モヤモヤする



チクチクする



幼馴染みって立ち位置は、はたから見たら美味しいかもしれへんけど



実際、近くて遠すぎる



絶対そんな対象には見てもらえへん



可愛い幼馴染みとかやったらまだしも名無しくんは可愛くないし



運動も勉強もなにもかも平均



つまらない名無しくんなんか見てくれるわけがない



でも、毎日いっしょに帰れるんも


ちっちゃい頃の彩を知ってるのも


幼馴染みの特権で


この特権を手放せるかって言ったらできひん



想いを伝えることもできひんし、彩から離れることもできひん



だから、もどかしいこの距離を必死で保つしかない
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ