DreamU.
□ヒトメボレ
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「はあ…」
この時間のコンビニって人が少なくて眠気がやばい
どうせ今やって店の中に誰ひとりいないんやし、休憩室で寝ててもええんちゃう?
なんて考えを頭から振り払って、今にも落ちてきそうな重たい瞼を押し上げる
カラン
「いらっしゃませ…っ!」
心臓が飛び出そうなくらいの衝撃を受けた
かと思えば、すぐに心臓はうるさく鳴り始める
うあ、なにこれ
うるさい
止まらへん
目が離せへん
視線の先のその人はサラダのあたりを迂回してる
背は小さめ
ぱっちりとした大きな目
口もとのほくろ
少しキリッとした眉
綺麗な唇
すべてが名無しくんを釘付けにさせた
「あのっ、これください」
とんっと置かれたたまごサラダ
慌ててバーコードを探すけど、パニクっててなかなか見つけられへん
見つからへんくて、焦ってるはずやのに声も可愛いなんて考えてる
相当な重症や
「あはっ、そんな焦らへんくていいのに」
吹き出すように無邪気に笑ったその人
「顔真っ赤ですよ?あっ、ありがとうございます」
なんてクスクス笑って、やっとバーコードが見つかったたまごサラダをぴったりの現金と引き換えに取ってひらひらと手を振りながら行ってしまった
まだドクドクと心臓がうるさい