DreamU.

□いちばん近く
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足腰が立たなくなってへなへなとその場に座り込んでしまった私の服やら何やらを先輩が整えてくれた



「ごめんね?最低なことした、最近まったく楓子ちゃんに会われへんくなって、もう我慢できひんかってん」




またさっきの顔




「好きやから我慢できひんって何言うてんって話やね、好きならまっすぐ伝えんといけんかったのに」



ちがう


私は嬉しかった



そんな泣きそうな顔せんでよ



「初めて楓子ちゃんに話しかけたときもほんまは全部知っとった、学年もクラスも、もちろん名前も、気持ち悪いね、我ながら」




私もやで


私も話しかけられる前から全部知っとったんやで?





「でも、もう今日で終わりや。名前も呼ばへんし、教室にも行かへんし、手も振らん。もちろんもうこんなこともせえへん。やから安心してな?…じゃあ」


ってまた切なそうに笑った




「…行かんでっ、私の好きな人はずっと…っ、ずっと先輩やから…っ、行かんでっ」




気づいたら泣きじゃくって先輩の袖を引っ張ってた




「…それほんま?」



「ほんまに決まってます…っ、私やって話しかけられる前から全部知っとったもん…っ」




同じや、ってくしゃって笑って泣きじゃくってる私の背中をさすり続けてくれた




いちばん近くで見る先輩はやっぱり、キラキラしてて、かっこよくて


遠くからでは見えへんかった泣きぼくろとかも見つけられて



ひとりで勝手に嬉しくなる




「何笑ってんねん、なんかついてる?」




ってどこどこ言いながらあたふたしてる先輩が微笑ましい


ちょんちょんと先輩の肩をつつく



「もう、なに〜」



end







「名無しさん先輩、好きやで」
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