乃木坂 (短編)

□7TIMES OF REVELATION
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『…さむっ』







2月の朝

学校へ向かうために開いた玄関の扉



と同時に吹き込んだ冷たい風のせいで

思わずこぼれた独り言



少し前までクリスマスとかお正月だったはずなのに

時間の流れって本当に早いなぁ…




そんな年齢に不相応な感覚に浸りつつ

とりあえずいつもの通学路を歩き始めた一人称


それにしても…






『なんでこんなに眠いんだろ…』







朝特有の静けさに加えて

どこからか聞こえてくるハトのリズミカルな鳴き声が眠気を誘う


そういえば昨日の夜はあの子と電話してて寝るの遅かったっけ


でも毎朝のように眠たい気もするし単純に低血圧なだけかも…





なんて我ながらどうでもいい悩みに頭を悩ませていると







「「おーい!!」」







後ろから聞き覚えのある声に呼び止められて

振り替えるとそこにいたのは駆け寄ってくる3人の友人





優里「名前おっはよー!」

『…はよ』

らりん「どうした元気ないじゃん!まさか風邪でもひいた!?」

『…』





朝から元気な二人に圧倒されて

それ以上声が出てこない


おかげで目は完全に開いたけど…




ちなみに最初に声をかけてきた賑やかなのが優里

とにかくうるさいのがらりん



二人ともクラスメイトで仲の良い女友達

そしてもう一人…






七瀬「名前おはよー」

『おはよ、なーちゃん』





前の二人と違って丁度いいボリュームの挨拶を交わしたのが

なぁちゃんこと西野七瀬ちゃん



一人称たち4人はみんな仲良いけど

その中でもなぁちゃんは共通の趣味も多くてよく喋ってる





七瀬「なんか今日めっちゃ寒くない?」

『うん…やっぱ朝は辛いよね』

七瀬「名前って朝弱いもんなぁ」

『なーちゃんも一緒じゃん(笑)
これでも冬とか雪は好きなんだけどね…』

七瀬「あ、ななも雪好き!」





それに部活も同じイラスト部で一緒に時間を過ごすことも多いし

たまに休みの日には二人で遊んだりとかもしてて…





優里「っておいこらー!何でななとばっかり喋ってんの!?」

『……でさ、今日の帰り映画行かない?二人で』

優里「シカト!?しかも何で二人!?」

七瀬「あ、ななも名前と観たい映画あんねん!放課後楽しみやなぁ」

らりん「ちょっ…七瀬までうちらに厳しいとかやめてよ!?」






おまけにこんなやりとりが普段から多いせいなのか

なーちゃんとは波長が合うって余計に感じる



そして二人はずっとうるさい…



この時間帯にそのテンションってさすがにキツくないの?

って聞きたいところなんだけど毎日これだから




きっと今日もこんなペースで一日進んでいくんだろうなぁ




安易に予想がつく未来に軽く呆れながらも

なんだかんだで憎めない二人だから

多少騒がしくても放っておいたんだけど






優里「あー!そういえば名前にあれ聞かなきゃじゃん!!」





通勤通学で人の行き交う道端にもかかわらず大声を上げた優里

さすがに怒りたくなるくらいにうるさい





『…何だよ、あれって』





だけど次に聞こえてきた驚きの一言で

その感情は一瞬にしてどこかへ消えてしまった







優里「隣のクラスの秋元真夏と付き合ってるってマジ!?」
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