乃木坂 (短編)

□Opaque
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あすか「名前…本当に何やってんの?」

みおな「マジで最低だよね」

『…』







一人称



なんでこんなに責められてんだろ



学校からの帰り道



数分前までいつものメンバーと楽しく帰ってたのに





今、めちゃめちゃ気まずい




多分きっかけはここにいないアイツが

突然ワケ分かんないことを言い出したからだと思うんだけど…









『友情と恋愛の違い?何なの急に…(笑)』

ゆうき「いや…だから、名前にとっての恋愛対象になる女の子ってどんな感じかな…って」

『…』






どうしたんだ、マジで

ついさっきまで女子三人で騒いでたと思ってたのに

いつの間にか挙動不審になってて



というか普段おばあちゃんみたいな生活してるくせにそんなこと聞いてどうするんだよ…

なんてことを思いつつ普段のノリで返してみたんだけど






『まぁ…そうだな、とりあえず言えるのは!』

ゆうき「…言えるのは?」

『色気のあるお姉さんが好きってことだね』

ゆうき「…」






なぜか黙ったまま、視線も微動だにしてなくて

おかげでちょっと冷たい空気まで流れて始めて





『いや…あの、真に受けんなよ?冗談だから(笑)』

ゆうき「で、でも…!同い年くらいで小さくても色気ある人だって…おると思う……多分やけど」

『…』




一人称の必死な軌道修正が全く耳に届いてないみたいで

いつも気づいたら噛み合ってないんだよな…祐希との会話って





『まぁ…それはそうだけど、やっぱり大人っぽくて身長もある程度高くてさ…美人な人が良いよなぁ』

ゆうき「…」

『…どうかした?』





一応話の流れは切らずに、適当に言葉を繋いでいると

急に足を止めた彼女

それに俯いてて表情が読み取れない






大丈夫か…?






そう声をかけようとした時


パッと顔を上げて






ゆうき「ごめん…ちょっと用事思い出したけん、悪いけど先帰る…っ」 

『えっ、さっき遠回りして焼き芋買って帰るって…ちょっ、おい!』






一人称の呼び止めをガン無視して

走っていった彼女

















ワケ分からん





『なんだよアイツ…遠回りするの面倒になったのかな?』

あすか「…」

みおな「…」

『…な、なに?』






振り向くと

一緒に帰ってた友人二人がめっちゃ冷めた目で睨んできてて…



そして冒頭場面に戻るってことなんだけど







あれ…






ひょっとしてこの雰囲気






一人称のせいなのかな…
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